教室の感動を実況中継! 先生、日本ってすごいね/服部剛
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みなさん、道徳の授業を覚えてますか?
私は何となく「道徳の時間があったな」くらいで、どんな内容で道徳を学んだか覚えていません。
っていうか、“教科”ではなかったということを、最近知ったという・・・・・・

さて、私の話はさておき、ちょろっと目次をご紹介いたします。

まえがき
1.「戦場の知事 島田叡~沖縄の島守」役割と責任
2.「やまと心とポーランド魂」恩を忘れない
3.「エルトゥールル号事件」感謝の心
4.「ペリリュー島の戦い」崇高な精神
5.「焼き場の少年・一片のパン」人間の気高さ
6.「海の武士道~敵兵を救出せよ」生命の尊重
7.「日本マラソンの父・金栗四三 三度のオリンピック」努力を続ける
8.「佐久間艇長の遺書」役割と責任
9.「柴五郎大佐」勇気ある行動
10.「上杉鷹山 為せば成る」誠実・責任
11.「ユダヤ人を救え 樋口少将と犬塚大佐」差別偏見の克服
12.「特攻隊の遺書」先人への敬意と感謝
13.「昭和天皇とマッカーサー」強い意志
14.「空の武士道」利他の精神・人間の気高さ
15.「日本ミツバチの団結力と日本人の美徳」集団生活の向上
16.「坂東捕虜収容所 松江豊寿中佐とドイツ人捕虜」寛容の心
17.「台湾人に愛された八田與一」公平公正
18.「絆の物語~アーレイ・バーク」日本人の伝統精神と集団生活
19.三年間、服部道徳を受けて生徒の感想
あとがき

この中で知らなったのは、1の「戦場の知事 島田叡」と、名前は知っていたけど、それだけだった、7「日本マラソンの父 金栗四三」でした。(金栗さんは故郷熊本の偉人だというのに恥

もう、最初の「戦場の知事」から感動して泣いてしまいました。
凄い人がいたんだなぁ。自分がこの状況に置かれても、同じことができるのか?と気分はそこで授業を受けている中学生でした。(まぁ、歳はその子らの親御さんと同じくらいですが汗
「焼き場の少年」は既に知った話でしたし、「特攻隊の遺書」も何度も読んだことがあるものでしたが涙腺崩壊。涙
涙と鼻水を拭きながら読みました。特攻隊の遺書に関しては、授業を受けた生徒にも涙をこらえらない子がいたようです。
タイトルの“教室の感動を実況中継!”とあるように、著者である先生が資料を作り、写真などを見せながら、まずどういった人物(話)かを想像させ、資料1、2と読み進めながら、この後どうなったか、自分だったらどうするかを考えさせて、結びに持っていき、最後に生徒の感想を聞くという形式になっています。各生徒の感想や“気づき”が載せられているので、一方的ではなくていいなと思いました。えへ

それと、私がこの本を買おうと思った理由は、11.「ユダヤ人を救え 樋口少将と犬塚大佐」が載せられていたから。
昨年末、『命のビザ』で有名な杉原千畝氏の映画が封切されましたが、主人公の顛末は語られても、リトアニアやその他欧州を脱出したユダヤ人たちのことは語られることがありませんよね。
何故か?
それは樋口少将や犬塚大佐、日本軍の軍人たちがユダヤ人受け入れに奔走したからだと推測します。
戦後から半世紀以上経っていても、やっぱり「日本軍=悪」でないと困る人達がいるんでしょうねぇ。汗
特に、樋口少将の上官は東条英機で、東条は樋口を全面的に擁護し、ドイツからの抗議を一蹴しています。「A級戦犯の東条英機は悪人のはず!彼が良い人だったなんて!信じられない!信じたくない!sei」という人がいるのかもしれませんね。とある業界に・・・。
でも日本軍の軍人たちが、ユダヤ人を救ったのは紛れもない事実。
樋口少将は「黄金の碑(ゴールデン・ブック)」に「偉大なる人道主義者 ゼネラル・ヒグチ」と名前が刻銘されてます。(ちなみに、このゴールデン・ブックにはもう一人の功労者、安江仙弘陸軍大佐の名前も刻銘されています。)
それから、わたくし、実は犬塚大佐のことは、今回初めて、そのお名前を知りました。

こんな授業を受けてみたかった

          ※Wikipediaから拝借しました

さて、Wikipedia によりますと、

ドイツの軍靴がチェコ、ポーランドと進むにつれて、数百万のユダヤ人が世界各地に逃げ出さざるを得ない状態になった。しかし、彼らの目指すアメリカ、中南米、パレスチナなどは、入国査証の発給を非常に制限し、ほとんどシャットアウトの政策であった。英統治領パレスチナなどは、海岸に着いたユダヤ難民船に、陸上から英軍が機関銃の一斉射撃を加えるという非人道的行為まであった。そうした中で、入国ビザなしに上陸できたのは世界で唯一、上海の共同租界、日本海軍の警備する虹口地区だけだった。犬塚惟重は、日本人学校校舎をユダヤ難民の宿舎にあてるなど、ユダヤ人の保護に努力した。

世間では、何かと日本人を差別主義者に仕立てたい輩がおりますが、戦前から日本は人種差別撤廃を世界に訴えていましたし、弱者を救うために奔走していたんですよ。
ちなみに、この犬塚大佐の名前はゴールデン・ブックには載せられていません。打診はあったそうですが、「私は天皇陛下の御心を体して尽くしたのだ。載せたければ陛下のお名前を書くように」と断ったそうです。
なんて奥ゆかしい。wow!

この「ユダヤ人を救え 樋口少将と犬塚大佐」への、生徒の感想の中に、
「軍人でも外交官でも尊い行為は尊い。正しく評価した方がいい。今の日本は軍人を差別していると感じる。」
とありました。
日本の軍・軍人アレルギーは凄まじいですよね。
「差別はダメ!」といいながら、実は差別しているという矛盾・・・。ガーン


さて、本書のあとがきに、嘆かわしい現実が紹介されています。

『子ども・若者白書』平成26年度版(内閣府)を見ると、調査対象国(日米英独仏韓スウェーデン)の中で、日本の若者の異常さが浮き彫りになっています。
例えば、日本の若者は「自分自身に満足している(自己肯定感)」最下位。「自分には長所がある」最下位。「うまくいくか分からないことにも意欲的に取り組む」最下位。「社会問題に関与したい」最下位。「社会を変えられるかもしれない」最下位。「40歳の時、幸せになっている」最下位。「将来への希望がある」最下位。しかし、一位もありました。目を凝らすと、「つまらない、やる気が出ない」一位。「憂鬱だ」一位・・・。日本はどうなるのかと慨嘆します。

これを↑ 読んだとき、ただただ、ため息がでました。
これじゃぁ、悲しい・・・。

この本のような授業を、全ての先生ができるわけではないでしょうが、生きる楽しみをもち、同時に役割や責任、強さと優しさ、いざという時の覚悟等を道徳の時間で学んでほしいですね。
+学校だけでなく、自宅でも「日本人としてのふるまい、生き方」が学べたら理想的です。
というわけで、『教室の感動を実況中継! 先生、日本ってすごいね』(税込み1,512円)を、皆さまにお勧めします!キリッ





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