アイルランドの小学校は、ジュニア・インファントから始まり、シニア・インファント→ファーストクラスと進級していきます。
今年9月から息子はファーストクラスに進みました。
子供が小学校に入るまで、“アイルランドの義務教育”は未知の領域でしたし、日本とは色々システムが違うので、不安になったり、ストレスを感じました。
今までブログで小出しに述べてきましたが、ちょっとまとめたいと思います。

①義務教育は満4歳以上
9月1日付けで満4歳以上から義務教育がスタートします。(なお、8月最終週から新学期が始まるところが多いです。)
ただし、満4歳に達していても保護者の判断で1年先延ばしにすることもできます。

※義務教育前のプリスクールというものがあります。義務ではないので通わせなくてもいいですが、3歳2か月以上であれば無料です。ただし、保育時間は短く2時間~3時間です。はい?


②保護者が学校を選び、登録する。
校区は存在しません。行政等から通知も来ません。
保護者が通わせたい学校へ、子供を通わせられます。
ただし、学校のキャパシティの関係上、事前に入学希望者リストに登録しなくてはなりません。
登録は約1年前から受け付けているところが多いようです。
また、希望者数が多すぎて、入れないということも稀にあるので、念のため複数の学校の登録する親御さんも多いです。


③教科書は自分で買い揃える。
日本では、自治体で教科書を買い取り、児童・生徒に無償配布しますが、アイルランドでは自腹です。学校から必要な教科書のリストが通知されて、書店やネットで買い揃えなければなりません。


④時間割がない。
時間割がないので、息子がその日何を勉強したか、毎日のように訊ねています。
友人の子供が通っていた学校も時間割がなかったそうです。
ただし、アイルランドの学校は、公立でも学校毎違いのあるので、全ての学校で時間割がないのかは不明です。


⑤理科を教えない学校がある。
友人の子供が通っていた小学校では、理科はなかったとのこと。
現在息子が通っている学校では、理科を教えているようです。
ちなみに友人が通っていた小学校はプロテスタント系で、息子が通う学校はカトリック系です。

※ここコークはカトリック系公立校が多いです。しかし、カトリック教徒以外の児童、生徒も入学できます。



⑥シティセンターとその近郊にある学校は、シングルセックススクールが多い。

設立母体が修道会(修道士や修道女が属するところ)のためか、いまだに男女別の学校が多いです。
新興住宅地の学校や、地方の学校は男女共学が多いようです。

※息子が通う学校は、元々女子校で、ファーストクラスまでは男女共学ですが、セカンドクラスから女子だけになります。そのため、男子児童は転校を余儀なくされます。


⑦学校設備がしょぼい。
シティセンターに近い小学校は敷地面積が狭くなるためか、校庭が狭く、体育館がない学校があります。
主人か通った小学校も、現在息子が通う小学校も校庭が狭く、遊具もありませんし、体育館と呼べるような建物がありません。
来年9月から子供が通う小学校は、小さいながらも体育館がありますが、校庭にあったのは、バスケットボールのゴールポストだけ・・・。真っ白
地方の小学校の校庭には遊具があるところもあるようですが・・・。
鉄棒、うんてい、上り棒、ブランコ、砂場、タイヤ飛び、ジャングルジムがない校庭って、寂しいですよね。しゅん

なお、どこの学校もプールはありません。
学校によっては水泳の授業がありますが、その場合はスポーツジムなどが所有するプールを借りるようです。また水泳の授業自体ない学校も多いようです。


⑧ランチが提供されるのは助かりますが・・・

息子が通う小学校は、毎朝ケータリングからランチとスナックが配達されます。ランチはサンドイッチとミネラルウォーターやミルク。スナックは果物やニンジンスティック、ビスケットなどです。
ランチやスナックが提供されるのは親としては楽なんですが、野菜が少ない。
かといって、日本の小学校のような給食は難しいでしょう。
ムスリムの児童は豚肉は禁忌ですし、ヒンディーの子は牛肉がダメ。アレルギーの子もいるでしょうし・・・。でも、給食当番がいて、当番以外の子は配膳して、皆で同じものを食べて、って「食育」の観点からも良いな、なんて思うわけで。…
なお、学校によってはランチ持参の所もあります。


⑨掃除の時間がない。

先生や学校職員が掃除したり、清掃員を雇っている学校もあります。
児童や生徒は掃除しません。
カナダ在住の方のブログに、児童や生徒に掃除をさせると「児童就労にあたる」と・・・。えぇー
たぶん他国もそういうところが多いのかもしれません。そして「学校は勉強するところ」であって、それ以外は家庭で教わるものとして、明確に分かれているようです。


⑩式典がない。恒例行事があったり、なかったり。
息子が入学する時、入学式はありませんでした。
始業式、終業式もありません。
一昨年、インタカルチャルデーがありましたが、昨年はありませんでした。2年前はスポーツデーがあったのに、一昨年、昨年はありませんでした。毎年確実にある行事といえば、クリスマスの発表会ですが、学年毎に行われます。
そのためかなのか、国旗掲揚や国歌斉唱はありません。校歌も存在しません。

※卒業式にあたるミサはあるようですが、場所は教会です。学校によって違うと思います。


⑪教職員のストライキがある。
毎年あるわけではありませんが、ごく稀に教職員のストがあります。
親としては堪ったもんじゃありません。プンプン
5年ほど前ですが、友人の子供が通っていた小学校でストがあったらしく、その友人の話では、スト後に補習授業などはなかったそうです。


⑫セカンダリースクール

中高一貫ですが、義務教育はセカンダリースクールの前半3年まで。
また、後半3年(高校)といっても、最初の1年はあってないようなものだとか。え゙!!
聞いた話でしかないのですが、その1年は学校に行ってもいいし、行かなくてもいいらしいです。

※いまだに未知の領域なので、これ以上はわかりません。


⑬リーヴィング・サティフィケイト
高校卒業試験であり、大学進学を希望する者にとって、重要なテストです。
このテストのスコアによって、進学できる大学や科が決まります。(センター試験のようなもの?)
ちなみに、好景気だったころ、建築関連の科が人気だったらしく、ハイスコアを取らなければいけなかったとか。現在は薬学関連に進学したければハイスコアが必要だそうです。

※生徒にとっても、保護者にとっても、このリーヴィング・サティフィケイトの時期はナーバスになります。ここ最近聞きませんが、思うような結果が出ず、悲観して自殺したり、自殺未遂を起こした生徒がいたそうです。


色々違って当然なんですが、頼みの綱の主人が当てにならず、結構難儀したんです。
主人の頭の中は、わが子を如何にしてゲーリックフットボーラーかハーラー(国技ハーリングの選手)にするかなんですね。y’s
結局友人の友人にFBで尋ねたりしながら、ここまでやってきたといった感じです。汗

来年9月、転校した学校でも色々なビックリeh!!があると思いますが、子供と一緒に成長していこうと思います。汗





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