19日、瀬戸内寂聴さんが京都市右京区の寂庵にて「法案を通したら今度は戦争。私たち戦争を知っている者は、本当のこと、戦争は怖いこと、絶対にしてはいけないことを言っていく」と法話されたとか。
お話の冒頭で、「こんなに悪い日本(と感じたこと)は、93年生きてきてなかった」と憂え、太平洋戦争当時を振り返って「私たちはバカだから(国に)だまされていた。良い戦争だと思い込まされていた」と言い、「今ははっきり言える。戦争に良い戦争や聖戦など絶対にない。集団による人殺しが戦争」と強調した。そうです。
法話というより、安保法案批判、政治批判で、政治活動ですよね。
いや、別に政治活動するなとはいいません。私も人のこと言えませんし、一日本人として国を憂えておられるのだろうと思います。
そして僧侶という立場なら反戦・非戦を説くほうがスタンダードだと思います。
ですが、考えが飛躍しすぎてやしませんか?
法案が通ると、翌日にでも日本がどこかと戦争するかのような感じがしますよね。
しかも一体どこのどいつが言い出したのか知りませんが、徴兵制が始まるかのような言い方してますし
寂聴さんは先の大戦を経験した世代ですし、それに重ね合わせるのは意味仕方ないとは思いますが、必ずしも大東亜戦争の様相ばかりが戦争ではないわけでして。
戦争を良い戦争・聖戦など言うつもりはありませんが、一面だけを見て評価を下さないでほしいです。
この記事を読んで思ったのが、この方は情報弱者だということ。作家なのに・・・
法案審議中から「ここ(国会前)から軍靴の足音が聞こえる」と訴えておられましたけど、寂聴さんにはチベット仏教僧侶や仏教徒、ウイグルの人たちの怒りや悲しみの声は聴こえないようですね。
亡命チベット人や亡命中国人の警告も聴こえないようです。
安保法案反対の方は誤解しておられるようですが、法案賛成派だって基本は反戦ですので!
でも南シナ海の“中国の赤い舌 ”は東南アジアにとっても、日本にとっても脅威ですし、日本だって尖閣諸島のことや小笠原諸島での珊瑚乱獲で漁業被害がでているので、知らん顔していられません。
そして宗教人(仏教徒)として無視できないのが、チベット問題。そのチベット問題引き起こしたのは中国ですからね。その中国が南シナ海で、日本の領海内でやりたい放題してますし、沖縄どころか日本への領土的野心をほのめかしています。
もしもですよ。もしも日本が中国の一部になるようなことになったら・・・
第2のチベット、ウイグルの可能性は極めて大きいです。
もちろん今日、明日にでも中国が侵攻してくるとは思いませんが、したたかに、その機会を窺がっていると思います。
瀬戸内さんや、その他多くの僧侶が「反戦」や「非戦」を叫ぶのはわかるんですよ。
ですが、それを日本で、日本政府に訴えてどうなるんだ?と。
「反戦」「非戦」を訴える相手は中国ではないのか?と。
そして僧侶であれば中国政府に、チベット人やウイグル人への宗教弾圧をやめるように訴えるべきではないのか?と。(日本仏教会が数年前に非難声明を出してはいますが・・・)
結局“対岸の火事”としか思ってないのかなぁ。って
日本にいれば大丈夫。日本さえ戦争に巻き込まれなければ・・・みたいな。
甘いです。国防動員法 ってもんがあるんですよ、かの国には。在日中国人がどれくらいいるのかわかりませんが、こんなもん発動された暁にゃぁ、日本は一体どうなることやら。
不安を煽るようで申し訳ないんですが、“トロイの木馬”日本編は、まったく奇想天外な話ではないということです。
ミサイル飛んでくる、軍隊がなだれ込んでくるだけが戦争の始まりではないんです。
だからこそ、ありとあらゆることを想定して、日本と日本人の命と財産を守るためにはどうしたらいいかを考えた上での安保法案なんです。
私も僧侶の端くれです。私が所属する宗派、浄土真宗は「お念仏によって救われる」と説きます。
でもこれは信仰上のことであり、実生活においては当たり前に努力しないといけません。 (他力本願とは往生のときに阿弥陀如来の力で極楽往生させてもらうということで、他人任せという意味では本来なかったんです。)
「平和」「反戦」「非戦」というだけで世界が平和になれば、どんなにいいでしょう。でも現実世界はそう甘くはないんです。有史以来残酷で、悲惨な戦争を繰り返してきたけど、それでも戦争はこの世からなくなりません。だからこそ、戦争が起きないように、起こさせないように各国が戦争抑止に努めているんです。
それでもたった数カ国が紛争を起こそうとするなら、周辺国は自国民を守るための対策をとるのは当然、というか責任があります。
なのに、それを放棄しろと国にいうのは世間知らず甚だしいし、身勝手というか、無責任というか
“人類みな兄弟” “話せばわかる” を信じたいですが、悲しいかな、それが通じる人ばかりとは限らない。それでチベットやウイグル、内モンゴルは弾圧され、今でも多くの人が苦しんでいるのです。
だから亡命チベット人や亡命中国人、そして帰化人が警鐘を鳴らしているのです。
でも瀬戸内さんや法案反対の人たちにはそれが聴こえない。
でも永田町から軍靴の足音が聴こえると言う。
一度でいいから、チベット侵略 や現状、ウイグルの現状を見て判断してほしいです。
現状を知っても個人でできるのは、せいぜいブログやSNSで拡散するくらいしかできませんが、それでも明後日の方向向いた抗議をするよりはマシではないかと思います。
世界平和を目指して夢を見るのはいいですが、そのためには現実を見なくては!
そして自分たちだけの平和で満足してはいけないと思いますよ。
幸せになるなら、なるべく多くの人と幸せを共有したいじゃないですか。
でもそのためには、今起きていることから目を背けず、積極的に問題解決に向けて努力してこそではありませんか?
日本にはその力があると思いますし、世界もそれを望んでいると思います。
寂聴さん、今一度ご自分の政府を信じていただきたい。
闘争と侵略、弾圧を繰り返す中国政府より何倍も信頼できますよ。