東日本大震災から4年。
先日イギリスの番組で生存者のコメントを集めたものと、専門家による地震と津波のメカニズムや、あの地震がどれほど凄まじかったのかを検証する番組を放送していました。
改めて地震と津波の恐ろしさを思い知りました。

4年前も震災当日とその後数日はHNKワールドの映像を見ては涙して、何もできない自分が腹立たしくて仕方ありませんでした。
ただ、そこに心が洗われるようなものもありました。
それは非常事態なのに他人に配慮する日本人の姿と、その感動を伝えようとする人たちのツイートtwetter



震災後心の癒しを求めるかのようにこれらの呟きや各国の報道などをネットで読みふける日々が続きまして、それと同時にあることを思い出しました。
それは「三尺箸」という仏教説話。

極楽と地獄、正反対な世界ですが、同じ時間に同じ食事がでるそうです。
そしてそこには三尺(約90㎝)の長い箸が置いてあり、極楽にいるものも、地獄の亡者たちもその箸を使って食べなくてはなりません。
地獄では「俺が!俺が!」とその長い箸で自分の口へ持っていこうとしますが、長すぎて口に運べず誰も食事にありつけません。
では、極楽では?というと、「まず貴方からどうぞ」、「では次は貴方がどうぞ」と長い箸をお互いの口へ持っていき、いつも美味しい食事を頂いてるそうです。

地獄になるのも極楽になるのも、それぞれの行い次第 


買占めがあったり、火事場泥棒もあったようですが、それでも多くの人がそれぞれ「誰かのために、自分にできること」をごく自然に、それが当然かのように行動したのも事実です。
三尺箸のたとえのように、他を優先する、しかも人の本性がでそうな非常事態に“それ”ができるとは!だから外国人は驚きと感動を禁じ得なかったのでしょう。(大災害のあとには略奪・暴動が当たり前と思っている外国人は多いです。)

あの震災から4年。 復興はまだまだ道半ばのようで、地域によっては人口の流出が止まらないとも聞きました。
福島のことも気になります。汚水処理のこと、原発の半径20kmの地域への立入禁止も解かれていないようですし、福島への風評被害も問題です。
とはいえ、アイルランドにいる身では募金を継続することと、福島や日本に関する誤った情報(放射能漏れへの過剰反応)を修正するくらいしかできないんですよね。

思うように進まない復興への道ですが、こつこつとやっていくしかないんでしょうね。
そのためにはそれぞれが震災のことを定期的なり、不定期なり記憶を呼び起こしたり、動画などを見たり、復興の進行状況を確認したりして風化させない努力が必要だと思います。

気が遠くなりそうですが、できますよ!日本人には。
有史以来何度となく自然災害にあい、その度に復興して、先の大戦では焼け野原になりながらも経済大国に返り咲いたんですから。
私たちはそのすばらしいDNAを受け継いでます。
私たちは地獄を極楽に変える能力をもっています。
日本人の底力を信じて、これからも東北の復興を支えていきましょう。

                                                  (Mrs. G)



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