時間を見つけては近代史の勉強をし直しています。

ご存知の方も多いと思いますが、興味深い人物ですのでご紹介します。


そんなこと言うなよ; byドクトル・ベルツ
1876年(明治9年)お雇い外国人の一人として日本にやってきたドイツ人医師、エルヴィン・フォン・ベルツ。現在の東京大学医学部の前身 東京医学校で医学を教え、1902年(明治35年)退官後は宮内省侍医を務め、1905年(明治38年)花夫人を伴って帰国しました。

草津温泉を世に知らしめ、蒙古斑の命名もこのベルツ医師です。


さて、ベルツ医師のご子息がまとめた『ベルツの日記』があるのですが、そこにはベルツ氏が見た日本人や日本人観が書かれています。

興味を引かれた一文をご紹介します。



不思議なことに、今の日本人は自分自身の過去についてはなにも知りたくないのだ。

それどころか、教養人たちはそれを恥じてさえいる。「いや、なにもかもすべて野蛮でした」、「われわれには歴史はありません。われわれの歴史は今、始まるのです」という日本人さえいる。


このような現象は急激な変化に対する反動から来ることはわかるが、大変不快なものである。

日本人たちがこのように自国固有の文化を軽視すれば、かえって外国人の信頼を得ることにはならない。

なにより、今の日本に必要なのはまず日本文化の所産のすべての貴重なものを検討し、これを現在と将来の要求に、ことさらゆっくりと慎重に適応させることなのだ。



「日本はダメだ」と言い出したのは戦後からではなかったんですね。顔(微妙)

もちろん『日本ダメだ論』は戦後から本格的になったようですが、明治時代に、しかも知識人が自分たちの過去を恥じていたとは!

今も昔も日本人は大して変わっていないというこでしょうか。汗


日本にいた時、よく『サンデーモーニング』を観ていました。今だからわかるんですが、パネリストはほぼ“リベラル”もとい左派なんですよね。ガーン

どのコメントも「日本のここがダメだ」とか「ここを改めなくては日本は世界に認められない」とか、日本が信じられないのか、いつまでたっても自国を誉めることはない番組です。チーン 

たぶんこの番組を好きな人は政治・社会を勉強したつもりになるんでしょうが、同時に日本人であることに誇りが持てなくなりますので、お気をつけ下さいまし。

そして、現在ほぼ毎週、動画で『たかじんの そこまで言って委員会』を観るんですが、ちょくちょく出演しておられる元参議院議員の田嶋陽子さん。いやぁ、この方「どんだけ日本嫌いなの?」というくらい反日まっしぐら。しかもアンチ韓国・中国ネタのときは擁護にまわるという“ぶれない反日主義”汗

ただね、この方全体が見えていないんですよ。たしか2ヶ月ほど前の回でしたか、田嶋さんが「韓国はキリスト教が普及しているから、人権意識が高い。」と言ったときにははぁ?と思いました。(日本人の人権意識は韓国より劣ると言いたいようです。)

というのも韓国の性犯罪率は日本の約40倍。ひぇ~ これって、韓国人女性の人権がないがしろにされているという表れだと思うんですが・・・ムム…

まぁ、田嶋陽子さんに限らず、自分に都合のいい情報だけ“cherry-picking”している知識人は多いと思います。そして問題なのは、リベラルや左派(日本が嫌いな人たち)といわれる人がよく主要メディアに出演して、“cherry-picking”した情報をもとに独自の解釈を交えて、持論を展開しているということ!

もし、ベルツ医師が現在の日本の言論界を見たり、聞いたりしたら「まだそんな事言ってるのか?」と嘆かれるんじゃないでしょうか。



なお、ベルツ氏は日本に対して批判ばかりしていたわけではありません。

日本人が災難に対して、いつまでも悲観せず、非常に前向きなことに「驚嘆させられる」と『ベルツの日記』に記しています。

また、粗食なのに持久力があることに驚き、「西洋式の食事ならば、もっと体力がでるだろう」と雇った車夫に肉食をさせたところ、3日ほどでダウン。和食に戻し、回復したことを受けて、西洋社会に菜食を奨めたという逸話があります。

それから数多くの日本の美術品や工芸品の収集家でもあり、ドイツに日本の武道を紹介し、柔道の普及に貢献しています。


そして、こんな言葉を残しています。


もし日本人が現在アメリカの新聞を読んでいて、しかもあちらの全てを真似ようというのであれば、その時は、日本よさようならである。



「目先の事だけにとらわれるな。日本らしさを忘れるな。」ということではないでしょうか。

                                                    (Mrs.G)

                        


                   引用及び参照元:http://ja.wikipedia.org/エルヴィン・フォン・ベルツ

                              nippon.com/ベルツ博士が日本とドイツにもたらしたもの

                              玄米に関する物語/外国人が驚いた玄米食の力

     



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