友達と集まるとたまに話題になる「アイルランドの出産・育児事情」。
私はここコークで出産、育児をしているので、日本式をしっかり理解しているわけではありませんが、実姉の出産、子育て、そして育児書と照らし合わせながら、日式vs愛式を比べてみたいと思います。
①妊娠中の定期健診はGP(かかりつけ医)と 出産する病院両方行かなければならない
なお、コーク市在住の妊婦さんはプライベートか自宅出産以外はコーク・ユニバーシティ・マタニティ・ホスピタル(CUMH)で出産します。
原則的にアイルランドの妊婦さんは、それぞれの地域で指定された病院(リージョナル・ホスピタル)で出産することになります。
②検診・出産は無料(プライベート産院は有料)
GPでの初診料は払いますが、その後は無料です。
私は普通分娩のつもりでいたんですが、陣痛室でうんうん言っている間に気がかわり、無痛分娩に変更。それでも無料!ありがたい!(但し、子宮口が充分開かず帝王切開に)
※なお、アイルランドでは人工妊娠中絶はできません。
③医者もミッドワイフも妊婦の体重のことをとやかく言わない
日本の産科医や助産師さんは妊婦さんの体重増減に物言いをするといいますか、たまに叱る人がいますよね?ここでは皆無だと思います。しかも結構妊婦さんの喫煙も多い
④母乳育児は不人気
他のヨーロッパの国々では母乳育児が主流のようですが、アイルランド(たぶんUKも?)は粉ミルクがまだまだ主流。妊娠がわかり初めてCUMHで検査を受けて、その後ミッドワイフと相談した際、「母乳育児にするか?フォーミュラーにするか?」と聞かれて「母乳育児します」と即答したら、主人からブーイング なんでも“母乳育児は貧乏人がすること”とか“赤ちゃんにはお金をかけて良いミルクを与えるべし”的な考えが未だに根強いとか・・・
⑤↑そのため授乳室はない!
姉が心配して授乳カバーを送ってくれました。
正確には、以前シティセンターのMothercareというお店には授乳室兼オムツ替え室があったんですが、今は移転してありません。
⑥赤ちゃんの扱いが結構雑
日本では首がすわっていない赤ちゃんを抱くときは、まず首と頭を支えて・・・とまさに壊れ物を扱うように丁寧に横抱きしますが、こちらではお構いなし。縦だろうが横だろうが自分にいいようにヒョイっと抱きます。もうビックリです
そう、赤ちゃんの首のことなんて考えてないので、新生児の下着は頭からガボッと着せるタイプばかり。
日本から姪や甥のお下がりを送ってもらったのは言うまでもありません
⑦ベビーオイルやローション、お尻拭きなど香料入りが多い
無香料のものを探すのに難儀しました
⑧離乳食やおやつが甘いし種類がない!
日本の離乳食やおやつは、大人の味覚では「味ほどんどない」って感じじゃないですか。
こちらのは私が食べても「甘っ!」と思うくらい“しっかり味”です。
種類も限られていて、レパートリーが少ないです。
⑨赤ちゃんの入浴は週1回でOK
退院する前に入浴指導がありまして、その時ミッドワイフから「入浴は週に1回ね。頭はコットンを入浴剤に浸して、拭くような感じでいいから」と教わったんです。後でわかったんですが、西洋人(白人)の赤ちゃんはほとんどハゲチャビンで生まれてくるからそれでいいんです。が、我が子は生まれた時から髪ぼーぼーで、言われたとおりに頭洗っていたら、気付いたときにはフケが溜まっていました~
ごめんね、息子!
⑩1才前後の乳児に平気で甘いお菓子やジュースを与える大人がいる
主人や主人の末の妹、そして主人の友人も平気でそれをやってたんです 主人の妹は私に断りもなく「はい!買ってきてあげたわよ」ってな感じで、まだ1歳にもならないわが子にチョコレート与えましたからね。(とりあえず貰って、後でこそっと捨てました) 主人も油断ならくて「(チョコレートは)口の中で溶けるから」と 問題はそこじゃないだろうと説教したんですが、「ここはアイルランドだ!彼(息子)はアイリッシュだ!」と逆切れ。その言葉にかちーんときて喧嘩ですわ
けど、こういうことは我が家だけじゃなく、他所の親御さんもしてるんですよね。明らかにコーラらしき飲み物を哺乳瓶にいれて1~2歳の幼児が飲んでたり、激甘のチョコレート菓子を食べさせている親子連れを見たという目撃証言もあります。(どうなってんだ、この国は)
⑪土足禁止でない家でハイハイ期赤ちゃんのお世話は大変
私としては玄関ホール以外は“前面土禁”にしたいんですが、アイリッシュの主人は「ここはアイルランドだ!」と言って譲ってくれませんでした。そのためハイハイ期ごろから毎朝掃除機かけた後拭き掃除。朝から「疲れたぁ」って言ってました。土足当たり前のアイリッシュのお宅ではどーしてるんだろう?と不思議でなりません。
子育てして改めて畳と和室の良さを認識したと同時に恋しくなりました。
他、番外編として
アイルランドがまだ貧乏な国だったころ、妊婦さんの栄養補給としてギネス等の黒ビールを飲ませていた、とか、寝つきの悪い子にホットスタウト(黒ビール)を少量飲ませて寝かしつけた、とかあったそうで。 それから義妹から言われたのが「赤ちゃんの爪が伸びたら、お母さんが噛んで切ってあげるのよ」って いやぁ、ちゃんと爪きり用のハサミありますがな
さすがアイルランドといいますか・・・
こんな国で子育て頑張ってます。
「私って偉いわぁ」と自分で自分を褒めてやりたいです。
(Mrs. G)