魁先生
いつの頃からか、そんな名がついた
度胸が据わってる訳じゃない
ただ俺には、初めの一歩を迷う理由がないだけ
隊士達の大半が、事切れる前に口にするのは
郷里に残した家族の名
遺品もそういった物が殆どだ
ふと思う
自分がそうなった時、残る物など
せいぜい身の丈に合わない立派な刀くらいだと
刀にあしらわれたツツジ
顔も知らない父親が好きだったとゆう
その花
幾人もの血を吸い
いつか紅く咲くのだろうか
落胤
呼ぶ名なんか無い
母親の顔すら薄れた俺だ
『俺、新撰組辞めるから』
やっぱり少ない荷物に思わず苦笑いが出る
部屋の隅から黙って見つめる大きな眼
視線が痛い
できるならこの風呂敷に、あんただって詰め込みたいのに
初めて一歩を踏み出すのが怖いと思った
この敷居を跨ぐ一歩はきっと
何万歩より意味のある一歩になる
あんたと一緒に歩けたら、どれだけ楽しい道のりだったろう?
振り向くな進め
いつかこの国から争いが無くなれば
派閥も組も信仰も流派も越えて
俺達はまた笑えるかな?
そんな未来、少しも見えはしないけれど
最期の時が来たらきっと
貴方の名を呼ぼう
大好きだよ新八っつぁん
いつの頃からか、そんな名がついた
度胸が据わってる訳じゃない
ただ俺には、初めの一歩を迷う理由がないだけ
隊士達の大半が、事切れる前に口にするのは
郷里に残した家族の名
遺品もそういった物が殆どだ
ふと思う
自分がそうなった時、残る物など
せいぜい身の丈に合わない立派な刀くらいだと
刀にあしらわれたツツジ
顔も知らない父親が好きだったとゆう
その花
幾人もの血を吸い
いつか紅く咲くのだろうか
落胤
呼ぶ名なんか無い
母親の顔すら薄れた俺だ
『俺、新撰組辞めるから』
やっぱり少ない荷物に思わず苦笑いが出る
部屋の隅から黙って見つめる大きな眼
視線が痛い
できるならこの風呂敷に、あんただって詰め込みたいのに
初めて一歩を踏み出すのが怖いと思った
この敷居を跨ぐ一歩はきっと
何万歩より意味のある一歩になる
あんたと一緒に歩けたら、どれだけ楽しい道のりだったろう?
振り向くな進め
いつかこの国から争いが無くなれば
派閥も組も信仰も流派も越えて
俺達はまた笑えるかな?
そんな未来、少しも見えはしないけれど
最期の時が来たらきっと
貴方の名を呼ぼう
大好きだよ新八っつぁん