私の趣味の1つに、「ドラマ鑑賞」があります。
いろんなドラマを楽しんでいますが、今一番ハマっているのは、NHKBSで放送されている「しずかちゃんとパパ」というドラマ。
次回がいよいよ最終回です。
笑福亭鶴瓶さん演じる“ろう”のパパと、吉岡里帆さん演じる“コーダ”の娘(しずかちゃん)の物語。
“ろう”とは、耳が聞こえない人のことで、“コーダ”とは、聞こえない親を持つ聞こえる子、のことです。
お母さんを早くに亡くしたしずかちゃんは、小さい頃からパパの耳代わり、口代わりとして、通訳の役割を果たしてきました。
しずかちゃんと出会って恋をする青年は、とても優秀だけどコミュニケーション能力に難があります。ドラマ内でハッキリ述べてはいないけど、恐らく何らかの発達障害があるのかもしれません。
この青年(圭一くん)を演じているのはジャニーズの中島裕翔さん。
3人の過去と未来がとても温かく優しく折り重なって、周りの登場人物も細やかに描かれていて、とても素晴らしいドラマになっています。
ドラマの展開と、伏線回収のタイミングも見事。毎回じんわりと涙が出てしまい、いろんなことを考えさせられます。
役者の皆さんもとても良いけど、とにかく脚本が素晴らしいです。
第7話では、しずかちゃんのパパと、圭一くんのお母さんとの会話が秀逸でした。
コミュニケーションに難のある息子に結婚を考える恋人ができたことを知り、お母さんはこっそり彼女(しずかちゃん)の家をたずねます。お母さんはそこで初めて、彼女のパパが聴覚障害者であることを知ります。
パパが自分の方から、障害が遺伝するものかもしれないことを伝えるシーン。
それを聞いたお母さんは(実際には最後まで言う前にそれを遮って)、こう伝えます。
「心強いです」
この予想外のひと言には、本当に心を揺さぶられました。
BGMも無い静かなシーンで、2人がゆっくりと口話と筆談で会話をします。
「その時は教えてください、私たちとその子に。
どうすればその子が、あなたのように楽しく生きられるかを」
“ちょっと普通じゃない”圭一くんを育てる過程では、様々な葛藤があったかもしれない。
なぜウチの子だけがこうなんだろう?って悩む場面があったかもしれない。
誰も教えてくれなかった。ひとりで必死にやってきた。
周囲から浮いてしまう圭一くんを、お母さんが丸ごと慈しんできたんだな。
ほんのわずかなセリフの中に、これまでの人生がにじんで見えて、本当に素晴らしかったです。
次回の最終回、きっと泣いてしまうと思う。
みんなが幸せになれる結末を期待しています。