かなり久しぶりの読書の記録。
読んでみたい!という思いに駆られて買った一冊。
動物が好きなわけでも、キリンが好きなわけでも、解剖がすきなわけでもなーんでもなくて、
本と一緒に置いてあった切り抜きに、つくば市の研究施設(博物館?)に勤務されてるということが書いてあったのが一つ引っかかった理由だと思います。
そして、ずっと好きだったこと(もの)を仕事にするってどんな感じだろう?と思ったこともとても大きいです。
難しい解剖や部位のことばや、学術用語みたいなのも出てきますが、
大半は私のように詳しくなくてもわかりやすく書いてくださり、とにかく読みやすい本でした。
普段なかなか読み切ることができないのですが、この本は1日半くらいで読み終えることができました。
解剖というくらいなので、
大好きなキリンが遺体となって運ばれてくるところから始まります。
その遺体に対してとても真摯に向き合う姿がとても印象的でした。
こんなことして何の意味があるだろう?と研究者として迷うことも出てきますが、彼女はいつでも真摯に向き合い、過去に解剖したキリンたちのことも踏まえて新しい解剖に取り組みます。
解剖の回数を重ねることで確実に進化し、自信をもつ姿を文章から感じました。
難しいことはわからないけど、
このひたむきさ、真摯さに心を打たれました。
いろいろな物事は繋がっていて、今やってることは過去と未来を繋ぐ為に必要なこと、
キリンの謎を解く為に今があること、
さまざまな気づきを得て、
この仕事ができるのはたくさんの方の協力や努力があること。彼女は周囲への感謝の気持ちを忘れず、自分なりの仮説を立てて論文を仕上げます。
「好き」がこうじるとこんなステキなチカラを持って帰ってくるんだな…
読んでいてなんとも清々しくて、若き研究者の郡司さんを応援したくなる気持ちになりました。
「好き」ってスゴイな。
立ち読みしていて、この人の人生が知りたいなと純粋に思って読んだ本は初めてかもしれないです。
本には情報や知識が詰まっているのはわかっていました。読んだら私も変われるかな?何か気付けるかな?若干の下心めい思いを抱きながら最近は本を選んでいたように思います。
でも読むだけでは変われず、気づくだけでも変われず、読んで、気づいて行動することが伴ってようやく変化が現れるんだよなーと改めて思ったわけです。
郡司さんのお母様がまた素敵な方で…
人間いつからでも「好き」を始めることができるんだなって思いました。
夏の終わりに素敵な本に出会えました。