いつだったか読んだ本をもう一度ひょんなことから読む機会があって、読みました。
(すみません、長文です)

『西の魔女が死んだ』

最初に読んだのは映画化されるときだったから、10年近く前になるらしかったのですが、
ラストのなんとも言えないすがすがしさとか、
この中にでてくるおばあちゃんとか、
私の心に残るものが多かったし、子供にも読んでもらいたいなって思っていました。
本はたくさん処分したけど、この本だけは捨てずにいたのにも意味がある気がしてなりません。

主人公は中学生の女の子、まい。
いろいろがあって学校に行けなくなってしまい、おばあちゃんのところでしばらくお世話になります。
そのおばあちゃんが亡くなるところから(亡くなったかそうでないかは初め伏せられてる気がするのだけど)おばあちゃんのところへ向かう道すがら、まいがおばあちゃんとの生活を回想することで物語が進みます。

おばあちゃんは外国人。
外国人だけど、日本のことがとても好きで、日本人よりも日本人ぽいというか、
日本人にないものを持っているからこそそう感じるのか…
あー、こういうのいいな!って思う要素のたくさんある方です。
自然との共存や、自然との生活をとても大切にしているなぁと感じます。

一度読んでいた時に気になってたことや、
こうだった気がするということが少し記憶ちがいだったりしたこともまた楽しかったし、
あの時響いたことと、今回響く場面が同じだったり違ったりはそれもそれで面白いなと思いました。

今回一番響いたなと思うところは、
ひょんなことから、「魔女」になる訓練をおばあちゃんから受けることになったまいなのですが、とある事件が発生しておばあちゃんと言い合いになった時のおばあちゃんの言葉です。
(以下引用です)
『「…魔女は自分の直観を大事にしなければなりせん。でも、その直観に取りつかれてはなりません。そうなると、それはもう、激しい思い込み、妄想となって、その人自身を支配してしまうのです。直観は直観として、心のどこかにしまっておきなさい。そのうち、それが真実であるかどうか分かるときが来るでしょう。そして、そういう体験を幾度となくするうちに、本当の直観を受けたときの感じを体得するでしょう」』

ちなみに、直観とは「推理によらず、直接的・瞬間的に、物事の本質をとらえること。」(webの辞書から)とのことで、直感とは少し違いますね。(うちにある小学生の辞書には「直感」しか載ってなくて残念ショボーン

まいはこの時、どちらかというと「直感」にちかかったのではないかと思います。
私は、けっこう思い込みに左右されてる方だと思います。こうしなけば、こうでないととまだまだ「べき」や「ねば」が顔を出します。筋が通ってるとか、芯が強いとかそういうのとは違う時があるなーとよく思います。
自分だけの特有の視点が存在し、それが思い込みなんだろうな…と。
物事にはいろんな局面がある、と思うようにしていますが、時としてそうできない時もあるし。
そういういろいろを考えさせられたということでもこの場面は印象的です。

このずっと前に、
『自分で見ようと決めたものを見ることができるようになるに訓練をするんです』
何ものにも自分の意志が強く反映されることをまいに諭すところもあり、ここも好きです。


あー、長くなってしまった。
一冊の本とここまで向き合ったのは初めてだな、きっと笑
ほんとはまだまだ書きたいことがあるけど、ここに書いたことだけでなくて、どこか10ページくらいは個人的に人生の教科書か!と思えるような部分もあり、また読みたくなる一冊でした。
ここのところ、実用書というかそういうのには目を通すことがあっても、物語を読むことはしばらくなかったので、貴重な時間となりました。

長文お付き合いいただき、ありがとうございました。