一年前の今頃だったか二月ころに、NHKの「クローズアップ現代」で、マイケル・ムーア監督の映画作品「キャピタリズム~マネーは踊る~」の作品紹介と、マイケル・ムーア監督のインタビューをしていたのをふと思い出しました。
この映画は私は見ていないのですが、マイケル・ムーア監督自身が「金を返せ!」とウォール街にダンプで突入するというなかなか過激な映画です。
「1%の富裕層が底辺の95%より多い富を独占している」と言われるアメリカですが、昨年より今年はさらに一般市民の生活は厳しくなっているようで、4人家族で年収2万3000ドル(約170万円)未満の貧困層が全人口の15%にまでになっているそうです。
日本では「相対的貧困率」という別の尺度での算出になるそうですが、昨年は全人口の16%にも達し、統計を取り始めた1985年以来最悪の数字を更新し続けています。
最近感じるのは、それなりの学歴もある、就業経験もあり、ネットリテラシーも持ち合わせている。そのような人たちが貧困層に転落しているということです。
働くのに何の問題もない人たちが、ワーキングプアに甘んじなければならないということです。
(そういえば最近はワーキングプアやネットカフェ難民という言葉を聞きませんが、いったいどういうことでしょうか。)
ええ、私もいわゆる貧困層であります。
仕事をすればするほど貧しくなっていく。建設業は斜陽産業の代表選手です。
考えれば2005年頃迄は、それなりに中流だったと思っていたのですが…。
キャピタリズム(資本主義)は悪かと言われれば、近年のそれは悪でしょう。
金融機関のいいように資本集約システムを構築し、巨万の富を得るのはそれら金融ビジネスの頂点にいる資本家だけという仕組みを作り上げました。庶民の手の届かないところでです。
日本の場合は、さらに国策としての金融政策がどうもまともに機能していないようです。
デフレを放置し、円高もコントロールできない。わかってわざとやっているのか無能なのかがよくわかりません。
テレビでは声高に「全世界同時不況」「ユーロ経済圏の問題」「リーマンショックが尾を引いてる」と、国の無策ぶりを他国のせいだと言っていますが、これは何なのでしょうか。
自国の為政者の無能ぶりを晒すような発言はしてはいけない、国民に悟られるようなことを言ってはいけないと上から言われているのでしょうか。
この1・2ヶ月になりそのテレビをはじめとするマスコミの論調も変わってきました。
政策批判や貧困層問題などを取り上げるようになりましたが、マスコミを抑えるお金も底をついてきたのでしょうか。
原発事故問題の検証も、それなりに調査に時間がかかったというのはわかりますが、今になって色々な事実が報道されてくるようになりました。
マスコミはもはや報道機関ではありません。お金をくれるところの味方でしかありません。
パチンコ屋がお金をくれればパチンコを持ち上げ、メデイア助成金をくれれば国を持ち上げ、無理くりブームを創りだすのがマスコミです。
貧乏人こそネットリテラシーを必要とされるのですが、いかんせん頭が悪ければ悪い方に流されるのもネットです。
私の地元の商店街はシャッター街となり、はや数年が経ちます。
かつては賑わいを見せていた商店街も、いまやお爺さん、お婆さんが何人か歩いている姿しか見かけられなくなってしまいました。地方の疲弊は限界を超えています。
ここに来て、消費税の増税は貧困層を直撃します。
消費の低迷を招き、さらなる財政危機をもたらすのは火を見るより明らかです。
TPPへの参加は、第1次産業の比率が高い地方経済を直撃するでしょう。
野田総理、あなたのやろうとしていることは間違っている!!