エピキュリアン25(了) | コラム・インテリジェンス

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透き通るような…心が…ほしい

 23歳、実家暮らしと

 26歳、一人暮らし。女性二人の

 主張と困りごと、愚痴をお聞きしました。

 

 どちらの言い分も御尤もであるけれど、

 哀しいのはどちらにも共通して

 大なり小なりおカネが関係してきてしまうという現像。

 

 「3人でエピキュリアンを目指そう」

 ということで話がまとまり、さっそく、

 ステーキとスシ、ケーキで祝うこととなりました。

 

 ステーキとスシ、それにケーキを買いに行くこととなり、

 外出の支度をしている途中で、3人共に、ふと手を止めて、

 

 3人そろって、

 「やっぱりカネかい!」(笑)

 

「正義の最大の果実は、心境の平静である。」

(「西洋古典叢書断片集/エピクロス」京都大学学術出版会)

 

 正しい判断、正しい思考、正しい行いの最大の御褒美は、

 爽やかで平静安寧な心の状態を感じられることのようです。

 

「幸福と祝福は、財産があるとか、地位が高いとか、何か権勢だの権力だのがあるとか、こんなことに属するのではなくて、悩みのないこと、感情の穏やかなこと、自然に適った霊魂・精神の状態、こうしたことに属するのである。」

(「西洋古典叢書断片集/エピクロス」京都大学学術出版会)

 

 多少でも財産と地位と権勢を持っていたころは、

 次の企画を立ち上げなければなどという悩み、

 それとそれに加えた諸々のストレスにより、

 とてもじゃないけど穏やかな感情ではなかったと思われます。

 

 が、67歳になった今、財産も地位も権勢も失ったけど、

 悩みはないし、穏やかな日々を送らせて頂いているようですし、

 まさに自然の摂理に適った霊魂・精神の状態を手に入れられたようにも思われなくもないのです。

 

「隠れて、生きよ。」

(「西洋古典叢書断片集/エピクロス」京都大学学術出版会)

 

 有名な名文句中の名文句。が、しかし、

 残念ながら、この一言が哲学者にしてエピキュリズムの祖、

 エピキュリアンの指導者エピクロスの言葉であることを知る人は少ないようにも思われます。

 

 「隠れて、生きよ。」

 

 目立たず騒がず、人との関りを断って生きるならば、

 思い通り自由自在、人目も周囲の意向も気にせず、

 真の自由を謳歌して生きることができるのだという、後には、

 

 当コラムの読者の方々ならばご存じのように、

 大哲人ニーチェにも影響を与えた言葉としても超有名な一言であるようですね。

 

「我々は言わなければならない、いかに最もよく人が自然の快を保ち続け得るかを。」

(「西洋古典叢書断片集/エピクロス」京都大学学術出版会)

 

 我々は、見栄も外聞も、

 世間の視線も気にしないでいられるのなら、

 

 我々は虚飾も虚栄も自ら捨て去ることができるのなら、

 我々は本来の自由で自然の摂理に適った自然の快を保ち続けることは可能なのである、

 

 ということをエピクロスは強く提言し続けた哲学者であり、その彼の趣旨に賛同しまくった人々が、紀元前から今日現在まで、エピキュリアンとして存在しているという事実に僕は感動しているのです。

 

「精神の平和ないし平安こそ

 人生のゴールである」

 (エピクロス「主要教説」)

 

  「最大幸福」

https://ameblo.jp/column-antithesis/entry-12197225995.html