「優れた本は、私たちの暮らしの問題に打って響くように答えます。」
(「ウォールデン 森の生活」ヘンリー・D・ソロー)
私たちの暮らしの問題に
直結しているものといえば生と死。
私たちは生まれた瞬間から、まぎれもなく、
死に向かって突き進んでいるという事実。
優れた本は、この問題も単純に、
打って響くように答えてくれています。
「人としての努力をすることもなく、ただ死に向かうのは人の道ではない。」
(高杉晋作──司馬遼太郎「十一番目の志士」)
「ダイエッターは哲学者 2」
「いったいどれほどの数の人が、本に親しむことを通じて人生を切り開いたでしょうか。
本が、生きることの不思議を説き、新しい生き方を暗示しました。
本はまた、私たちが言い表せずにいる何事かをはっきりと示してくれます。
私たちが今、まごつき、悩む問題は、かつて本の書き手も同じようにまごつき、悩み、考えた問題でした。
私たちが出会う問題で、かつて本の書き手が考えずに見過ごした問題は、ひとつとしてないでしょう。
本の書き手は、それぞれに問題に立ち向かい、個性豊かな才能を駆使し、育て、それぞれの言葉と暮らし方で答えています。
私たちは、本の書き手から、賢さばかりでなく、広い心も学びます。」
(「ウォールデン 森の生活」ヘンリー・D・ソロー)
・・・ふぅ~っ・・・なるほど・・・
・・・まったくもって・・・
・・・おっしゃるとおりであるとも思われます。
我々の生活に直結していると思われる
人生、生と死のことを四六時中考え抜いて、
楽ちんに生き、楽ちんに死にたいという欲望を
限りなく探究した哲学者といえばモンテーニュ。
「もしも私が、
この人生を繰り返さねばならないとしたら、
私の過ごしてきた生活を再び過ごしたい。
過去を悔やまず、未来を畏れもしないから。」
(「エセー」モンテーニュ)
「モンテーニュ『生き死に』」
ソローがいうように、もしも、本が我々に、
すべてを教えてくれているのだとしたら、
モンテーニュは上記のように、たった一言で我々に、
すべてを教えてくれているのかも知れません。