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ブーブー…
携帯が鳴った。コウからだった。
ちょうど私はご飯を食べてたときだった。
『ナツさん!今日、帰り少し話せて
よかった。授業で分からないこと
あったら聞いていい?
俺、実技苦手でさーモデルなってよ。
なんてね。
あ、ちなみに俺イベントスタッフ
やるから。じゃ! コウ』
…私、一応先輩。タメ口は話してたときから
思ってたけどさ。
イベントスタッフってのは、学校の行事があるときに
先生と一緒に運営をするスタッフのこと。
向上心ある子が入ることが多いが、きつくて
やめる子も多いのは確かである。
『コウ君、メールありがとう!
一応、言っておくけど私先輩だから 笑
実技は私の得意なのだったら教えてもいいよ。
モデルは気が向けばね。
お!入るんだーいいね!
一緒にがんばろうね!』
差しさわりのない普通の返信。
一年近く彼氏いないもんだし、男性とのメール
なんて滅多にしないから普通の返しに
なってしまうんだよね。
そんなこと考えてたらメールが来た。
『す、すみませんでしたああああ。
ナツ先輩 笑
本当に?!じゃあ、今度学校で残って
教えてよ!まじ、俺うまくなりたいからさ!
うん。がんばるよ。ナナさんのために 笑』
な…なんなんだコイツー!!!!
からかってる。
しかも、最後の文に きゅん とした
自分もバカだよ。バカ。
『そうだね。うまくなりたいって
思うことって素敵だよね。
コンテスト出れるくらいまで頑張って!
…からかってる?笑』
どきどきどきどき
ぷるるる…
電話?知らない番号だ。
ナツ「もしもし」
コウ「もしもし?ナツさん?コウです」
ナツ「コウ君?!あ、そっか…
あたしだけ連絡先全部送ったもんね。」
コウ「今、大丈夫?」
ナツ「うん、どうしたの?」
コウ「いや、さっきのメールなんだけど…
からかってないから。」
ナツ「そうなんだ。別にいいよ?
あたしそんな気にしてないし」
コウ「そっか、それなら良かった!
あのさ、今日彼女いるかどうか
聞いてきたじゃん?」
ナツ「うん」
コウ「俺…いるんだよね。彼女。」
私はなんとなく分かってたけど、少し
ショックに感じてしまった。
ナツ「そっか。違う学校の子?
もし違ったら不安がらせたりしたらダメだよ。
彼女は大切にしなよ?」
コウ「違う学校…だけど、俺。
彼女に好きな人できたって
言われちゃったんだよね。」
ナツ「え…」
コウ「大切にしてたつもりなんだけどなー
入学して早々、これだもんな。
ナナさん、こういう経験ある?」
ナツ「……あたしは、ない。
でも、元彼はホストだったからあったと思う。
一概にそうとは言えないけど。
コウ君はどうしたいの?まだ好きなら
ちゃんと伝えなきゃだよ?」
コウ「ホストって 笑
ナナさんて意外なこと多いよね。面白い。
俺、どうしたいのかよくわかんない。
好きかどうかも…」
なんとなくこの時、からかいメールを
送ってきた理由が分かった気がした。
ナツ「しばらくゆっくり考えたらいいよ。
私意外の意見も聞いてみて、自分の
気持ちと照らしあわせて答え出すんだよ?」
コウ「うん…ありがと。
なんかナナさんて、俺より年上な感じする」
ナツ「殴るよ?」
コウ「ははは!ごめんって!
ナナさん、明日は暇?」
ナツ「土曜日だよね?バイトないし学校もないし
美容室行ったあとなら暇だよ?」
コウ「俺と遊んでよ!」
ナツ「浮気になるよ?」
コウ「いや、彼女(あいつ)とお互い様でしょ。
それに俺、ナナさんに興味わいちゃった。」
ナツ「ダメ、二人で会うのはちゃんと別れて
からにして。面倒なのは大嫌いなの。」
コウ「ふーん。待ってて」
…っ。プープー。
切れた。
内心どきどき。何この展開。
すかさずリンゴに連絡した。
『りんごー!!!!!!やばい急展開!!
きゅんきゅん死にだよおお あわわ』
男に免疫のない私は本当にどきどきしていた。
だって、かっこいいて思った男性に
その日に話しかけられメールし電話して
「興味わいた」とまで言われた。
そしてデートのお誘い。
あああああああああああああああああああもおおおお
コウ、コウ、コウ!
なんだよ!コウ!待てない!笑
ブーブー
リンゴからだ。
『おめでと~* ナツにもとうとう春がきたか!
いままで私がのろけてたから、今度聞かせてね!』
さすが、リンゴ。存分に聞いてください。
『ありがとう!来週学校で話すね!
じゃあ、おやすみ!』
そう送って私は眠りについてしまった。
土曜の朝
…ぶるるるる
眠たい目をこすりながら携帯を見た。電話だった。
知らない番号から。もしかして…
コウ「おっはよーう!」
登録し忘れてた 笑
すみません。
ナツ「おはよー テンション高いね」
コウ「ナツさーん!!!俺、別れたから!!!!!」
ナツ「はあっ?!?!」
コウ「だから今日遊ぼうよ!ね?
美容室何時までなの?」
ナツ「えっ、えっと、15時には終わると思う」
コウ「じゃあ17時に公園前!またね!」
ぷつっ。
えええええええええええっ
別れたって何?あの後、話しあったってこと?
いや、聞いてみなきゃわかんないよね。
とりあえず美容室行こう。
そう思って準備をして美容室へ行った。
私の髪は肩にもつかないほど、短いけど
カットをして整えてもらって、カラーもした。
コテで巻くと可愛い髪形になった。
栗色の髪色もお気に入りだ。
いい気分で美容室を出て、ふらふらしていた。
ふと時計を見た。
14時50分
「まだ早いよなあ…どうしよ」
独り言を言いながら、携帯を見た。
コウからメールが来ていた。
『ナツさん、美容室終わったら連絡ください』
…いや、なんて言うか。まあ、いいけどさ。
なんかカップルみたいじゃん。
誤解してしまうからもう会いたくないな なんて
思ってしまった。
『コウ君?今、メール見ました。
さっき終わったよ!』
これだけ返して、私は近くのカフェに入った。
美味しい紅茶を飲みながら色々と考えていた。
私は、今、恋しているの?
まさか ね。
前の恋が影響してか恋することに臆病に
なってるのかもしれない。でも、彼氏は欲しいと
1年間合コンやら、パーティ、クラブなどに
参加したが誰とも付き合うことなく終わった。
いや、コウ君が私を好きなんてあり得ないよ!
おさえておこう、この気持ちは。
ブーブー
メールだ。
『お疲れっす!今どこにいるの?』
コウ君だ。
『今、○○カフェにいるよ。来る?』
まだ時間早いから向こうも用事あるだろうから
来ないと思ったけど誘ってみた。
『今から行く!』
…まじか。
コウは友達と遊んだりしないのかな?
なんで私ばっかり?って言ってもまだ
2日目だけどね。来週になったらきっと
落ち着くはず。うん。
私も1年前は友達と毎日遊んでたなあ。
クラスのみんなと仲良くなりたくて
毎日笑ってたなあ。今も笑ってるけど。
昔を振り返ってたら、男の人から声かけられた。
「あの、ここ座ってもいいですか?」
見るとコウだった。
ナツ「何でそんな他人行儀?」
コウ「なんとなくだよ。俺、早いでしょ?」
確かにまだメールして30分も経ってない。
コウを見るとちょっと息切らしてる。
お
ナツ「急がなくても逃げないのに」
コウ「ナツさんに早く会いたくて 笑」
…ちょっと きゅん。
ナツ「で、彼女さんと別れたってどういうこと?」
コウ「あ…昨日ナツさんと電話したあと決心ついて
彼女に電話したんだ。そしたらさーなんか、
あっさり振られてさ。あいつ、もう好きな人に
ぞっこんみたいでさ。笑ったよ。まじ」
ナツ「そっか…コウ君はそれでいいの?」
コウ「うん。俺も言ってやったんだ。
好きなやつ出来た って。そしたら
あいつ『わかった』で切りやがってさ」
ナツ「でも、仮にもコウ君が好きになった人だからね。
自分の好きになった人を貶すようなことは
しちゃだめだよ?」
コウ「ありがとう。大丈夫だよ。あいつを恨んだりはしない。
次に付き合う人が出来たら、今度こそ夢中に
させてやるから」
こんなにいい人なのに、なんで幸せを奪われるんだろう。
ナツ「コウ君はいい人だね。今、キラキラしてる」
コウ「何だそれ 笑
ね、公園行かない?」
ナツ「うん」
そう言って私たちはカフェを出た。
春風を受けながら私たちは近くの公園まで
ゆっくり歩いていった。
そして、公園のベンチに座った。
…まじ、カップルみたい。笑
コウ「ナツさん」
ナツ「なに?」
コウ「俺、本当に好きな人できたかも」
ナツ「へぇ…早いって思うけど
恋は突然来たりするもんね!
いいんじゃない?」
コウ「そう…そうだよね!俺、真剣なんだ!
俺、ナツさんに一目ぼれしたんだ!」
ナツ「…………ええええっ?!あたし?」
コウ「うん!!!じゃないと俺から話しかけたり
しないし、電話とかメールもしないもん」
ナツ「いや、あの、嬉しいけど…コウ君別れたばっか
だし、もう少し考えてみてよ?それに、
私と会ってまだ2日だよ?気の迷いってのも
あるかもしれないし…ね?」
コウ「そっか…ごめん。でも、初めて見たときに
タイプだなって思ったよ。それに、話してみたら
意外と大人だし。その意外性にも惹かれた
っていうか。軽いよな、俺。ごめん」
ナツ「あ、ううん!嬉しい。ありがとう。
私も考えるね」
コウ「うん」
ナツ「…あ、そういえばコウ君って友達と
遊んだりしないの?ちょっと気になったけど」
コウ「遊ぶよ?今夜オールコースの明日はドライブ~♪
ナツさん、一緒行く?エリたちも来るよ?」
ナツ「そうなんだ!いっぱい遊びなよ?
明日はバイトあるからやめとくよ」
コウ「ナツさんに毎日会いたいなー」
ナツ「あの…私、免疫ないから本当やめて」
コウ「可愛い。よく考えてみるね。
ナツさんも答え出たらまた連絡ちょーだい」
ナツ「ちゃらいね 笑 わかった」
この人の気持ちはどこまで信じていいのか
わからなかった。でも、わたしはこの人の全てを
信じてしまうほど好きになるなんてまだ思っても
いなかった。
お互いに一目ぼれの恋。
ここから私たちはスタートする。