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7つの習慣よりご紹介しています。


スティーブン・R・コヴィー著


個性主義には絶大な人気があるといいます。


その理由は、時間をかけず、効率的に質の高い生活や、人との関係をつくる方法があると教えているからだといいます。


社会心理学者エーリッヒ・フロムは次のように述べています。


「現代社会で出会う多くの人々は、まるでロボットのように機械的に振る舞い、自分のことを知りもせず理解することもない。


唯一知っているのは、社会が要求しているイメージだけである。


真のコミュケーションをもたらす語らいの代わりに意味のないおしゃべりを繰り返し、心からの笑いの代わりに見せかけだけの笑顔をつくり、心底からの痛みの代わりに鈍い絶望感しか味わっていない


こうした人間について言えることが2つある。


一つは、彼らが治癒の施しようがないほど自発性と自分らしさの欠乏に悩んでいるということであり、もうひとつは、実質的にほとんど私たちと変わりがないということだ」


習いごとに関しても上達するには練習が必要ということは周知だが、個人の人格や、人間関係の育成についてこの原則を正しく理解することは難しく、たとえ理解したとしても、それを真心から受け入れ、それに沿って生活をすることは、さらに難しいといいます。



著者はこう語ります。


「周りの人との深い充実した人間関係を築くためには、まず相手の言葉を聴くことからはじめなければならない。


そこでは精神的な強さが要求される。


本当に人の話を「聴く」ためには、忍耐、自制、そして相手を理解したいという気持ちなど、高度な人格の要素が必要不可欠である。


低い人格しか持ち合わせていなくても、恰好良くアドバイスをすることはできる。


それは、本気になって相手の話を聴くという行為よりもはるかにたやすいものである。」




企業でも、きちんとしてプロセスを踏むことを嫌い、檄を飛ばすような演説や、従業員の態度を改めるための研修、改造計画などにより、高い生産性や、顧客満足度を上げようとするが、思うような結果にならず、次は別の個性主義に基づくテクニックを探し始める。


そして、こうしたスパイラルを繰り返す。


大切な原則を無視し、見ようともしない、こうした企業を沢山見てきたそうです。




著者は、娘さんとの関わりの中での学びがあったそうです。


3歳になる娘さんは、ある日プレゼントされたおもちゃを抱え、人に貸すことを嫌がりました。


著者は自分の立場もあり、周りにいた親たちは著者自身が、娘に対する対応の仕方に期待しているのを感じたといいます。


そして、「おもちゃを貸してあげないか?貸してあげれば、友達にも貸してもらえるよ。


ガムあげるから。」などと言った言葉を使ったそうです。


しかし、娘さんは「いや」の一点張り。


そこで最後には実力行使で取り上げ、他の子に貸しました。


娘さんは泣き出しました。


著者は、「娘には、人に貸し与えるという経験の前に、所有する経験が必要だったのだと思う(そもそも所有していないものを、どうして人に貸し与えることができるだろうか)。自分には、もっと高い精神的な成熟が必要だった」と振り返ります。


この時は、子どもの成長より、周りの親たちの目を気にしてしまったといいます。


「自分の人格の弱さを補うために、自分の地位や権限から力を借りて、自分の言いなりになるよう強要したのである。


しかし、力を借りることは、弱さを作りだす。


まず力を借りた人は弱くなる。


なぜなら、物事を成し遂げるために、外的な力にいっそう依存するようになるからだ。


そしてまた、強要された人も弱くなる。


自主的な判断力や自制の力が育たないからだ。


最後にはお互いの関係も弱くなってしまう。


協力の代わりに恐怖が生まれ、一方はますます横暴に、そして一方はますます防衛的になっていくからだ」




今日はここまでです。


最後まで読んでいただきありがとうございました。