7つの習慣名言集からはいくつか引用して紹介させてもらっていましたが、今回は「7つの習慣」よりご紹介していきます。
ステーィブン・R・コヴィー著
ステーィブンは、15年間にわたり、仕事を通じて企業、大学、家庭などで様々な人たちと接してきました。
彼らは、社会では素晴らしい成功を収めていたにも関わらず、人間関係や心の安らぎには飢えていたそうです。
実は、スティーブンもそうでした。
それは彼の息子が学校に適応できず、成績も落ち込んでいたそうです。
人との接することもうまく出来ず、スポーツも苦手。
人に笑われてしまうような子だったといいます。
ステーィブンは、息子を助けたいと妻と必死になっていました。
自分たちの行動、態度にも注意し、彼が前向きになるよう励まし続けたといいます。
「がんばれ!絶対にできる!野球のバットはこういうふうに打つんだぞ」
うまくできたときは、自信をもてるように声をかけたそうです。
しかし、彼の息子は完全に自信を無くしてしまっていました。
やがて、スティーブンと妻は、一歩下がって違う観点から見つめることにしました。
一方、スティーブンはIBM社のマネジメント能力開発セミナーで「コミュニケーションと知覚」というテーマで講義していました。
その中で、知覚、ものの見方が人の行動にどのような影響を与えるかについて強い関心をもつようになります。
そして、それを調べるため心理学用語の「ピグマリオン効果」を研究するようになったそうです。
その研究をとおして、「人はあるがままに物事を見ているつもりでも、実はある種のレンズを通してみている」ということに気づきました。
そして、そのレンズが、人の世界観をつくり出し、人の全ての行動を方向づけているのです。
それを踏まえて、スティーブンは妻と話し、息子を助けようとしていたことが、本当は息子に対して思っていることと一致していなかったと気づいたそうです。
心の奥底では「息子は本当に劣っている」という意識があったのです。
なので、いくら行動に移してみても、結果何も報われなったのです。
スティーブンはこの出来事と同じころ、1776年以降アメリカで出版された成功に関する文献を調査していました。
その中で気づいたことは、最近50年間の中で出版された本は、表面しのぎで薄っぺらいもので、例えば、成功するためのイメージの作り方、テクニックなどについて書かれているものだったそうです。
それは、スティーブンからすると、応急処置をしているようなもので、問題自体にある慢性的な原因には全く触れていなかったそうです。
そのため、その問題は何度も再発するといいます。
このようなアプローチをスティーブンは個性主義と呼ぶことにしました。
一方、はじめの150年間の文献はそれらと反対で、人格主義とも呼べるものだったといいます。
誠意、謙虚、誠実、有機、正義、忍耐、勤勉、節制、黄金律などが成功の条件として取り上げられていたそうです。
この人格主義の中には、成功と言われる人生には、裏付けとなる原理原則があり、その原則に基づかない限り、真の成功を達成し、永続的な幸福を手にすることはないと教えていたといいます。
個性主義の本の中では、人間関係や自己PRテクニックを教え、積極的あるいは前向きな考え方と姿勢が大切とされました。
これらは「成功は態度で決まる」「笑顔は友達をつくる」「念ずれば道は必ず開ける」などの表現がなされていたそうです。
人を騙したり、操ったりするための方法を紹介し、人を利用してうまくやっていくよう勧めているものでした。
スティーブンはこれらを踏まえて、自分たちも個性主義の考えから息子に接していたと感じ、妻と話し、自分たちの人格、動機、ものの見方が息子との接し方に強烈な影響を与えていたと気づきます。
今回はここまでです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。