☆ ボビー・ジョーンズ
今年の全英オープンゴルフ選手権は今日からスコットランドの名門セントアンドリュース・オールドコースで開催される。
元祖帝王ジャックニクラウスのメジャー引退試合という話題にもふさわしい名門コースだ。
ゴルフ界には過去に帝王以外に「球聖」と称される米国人ゴルファー、ボビー・ジョーンズがいる。
今日の4大メジャートーナメントの一つマスターズトーナメントを作ったのは彼だ。
ボビージョーンズはそのゴルフ技術も超一流であったが、彼の名声をさらに高めた出来事は1926年の全米オープンの試合で起こった。
彼はパーでホールアウトしたと思われたホールのスコアを「クラブをボール向けて構えた際にボールがわずかに動いた」と言って、自ら一打罰を申告した。
そしてこの一打罰により優勝を逃した。
当時は今のようにTV中継もなければアップの映像もない。
ボールが動いたかどうかは彼本人にしか分からないことだった。
そしてその潔い行為に賞賛の声が集まったが、彼は「私が銀行強盗をしなかったと言ってあなたは認めますか」と平然と答え、正直な人柄への評価はさらに高まった。
「球聖」とまで言わしめた彼のエピソードのひとつだ。
彼は全米オープンチャンピオンになることよりも、一人の当たり前に正直である人間であっただけのこと。
彼はボールが動いたとき、全米オープンチャンピオンの座を天秤にかけてはいなかった。
人間として当然の行いを当然のごとく行っただけ、そこがまた凄い。
まさに「球汚れなく道険し」。
☆三谷 幸喜
cologneの大好きな脚本家が三谷幸喜さん。
彼は自分の見た目には「華」がないのを知っているから、なんとか相手を話で盛り上げようと必死で考え、努力しているのがわかる。
そんな人気脚本家の三谷幸喜さんがかってイギリスでスピーチしたときの話。
英語がだめなので、原稿を総て英訳してもらい、それを丸暗記した。
そして自己紹介の後、英語で切り出した。
「皆さん、僕の英語分かりますか」。
観客は口をそろえて「Yes!」。
で、三谷さんは続ける。
「ごめんなさい、僕は自分の英語が分からないんです」
三谷幸喜さんサイコー♪♪
☆ ダービーとダービー
競馬界の最高峰レースであるダービー、そもそもの由来はイギリスの貴族であるダービー卿(エドワード・スミス・スタンレー)とサー・チャールズ・バンベリー卿の間で、いずれの名を冠するかをコイントスによって決定したレースの名称にすぎない。
もし、コインの裏表が逆だったなら「ダービー」ではなく「バンベリー」になっていたかもしれない。
これとは別にサッカーや野球などでも「ダービー・マッチ」という言葉がよく使われる。
例えばサッカーではセレッソ大阪VSガンバ大阪の試合などは大阪ダービー。
この「ダービー」は、先に紹介したダービー卿とは全く関係がなく、イギリスの地方である「ダービー地方」に由来している。
昔、サッカーが盛んになり始めた頃、同じ地域で二つのチームが激しい戦いを繰り広げたことが、そもそもの発端。
つまり、同じ地域で2つのチームが激突することを、この故事にちなんで「ダービー」と言うようになった。
同じ厩舎、あるいは同じ馬主の馬同士がダービーで戦っても、誰もダービーダービーとは言わないだろうな。
お後がよろしいようで。