ディープインパクトについて触れたい。
仕上げ
皐月賞は7分程度の力で優勝したと感じた。
ただ馬自身の仕上げという面についていえば、やや仕上げすぎてしまったと感じる気配と馬体だった。
パドックでは前を歩くローゼンクロイツの仕草にカリカリ来ていたようだった。
これはゲートでもローゼンクロイツをシカトするため左方向を向いていたため出遅れたことからも明らかだ。<そういうことにしておこう>
これまでのディープインパクトなら、昨日のローゼンクロイツ程度の仕草なら影響を受けなかったはずだが、やはり仕上げすぎてしまったことで少し神経質になってしまったのだろう。
だが、精神面はそれほど心配していない。
栗東で過ごす普段の環境に戻れば落ち着くはずだ。
問題はダービーへ向けての馬の仕上げ過程だ。
一旦仕上がりきった馬を緩めて再び仕上げるには40日は短すぎる、かといってこの状態を40日間維持することはさらに困難だ。
池江師がどのような工夫と工程を踏んで調教してくるのか注目したい。
小柄
ディープインパクトの馬体を小柄であること、馬群に揉まれた場合弾かれると懸念する競馬のプロの方々の意見が新聞等の紙面で見かけたが、とても競馬のことを知っている人間の意見とは思えなかった。
馬は小柄だから弾かれるのではない、ふらふら走っているから弾き飛ばされるのだ。
3歳春の牡馬として理想的な馬体であり馬体重だと考えている。
500kgを超える馬体にいったいどんなメリットがあるといいたいのか、小柄が気になると書く専門家と呼ばれる知識人たちよ。
内
ディープインパクトは内枠に入っていたとしても外に出して回ってきたはずだ。
内にこだわる馬というのはそこにメリットがあるからリスクを抱えていても内にこだわる。
ディープインパクトにとって内はアクシデントを回避出来ないデメリットのほうが多いので、内に入らないだけなのである。
馬込みで揉まれた経験のなさを指摘される意見もあったが、経験していないこと全てを不安点と指摘するよりも、馬の能力を見極めることが優先されてよいのではないだろうか。
馬体
ディープインパクトの馬体についても少し触れておきたい。
3歳春時点で同世代の他馬と比較すると、完成度の点において他馬を大きくしのいでいるため早熟馬であり成長面に疑問があると解釈している方も一部おられるようだが、とんでもない大きな勘違いだと言いたい。
今は無駄なところに一切肉をつけていない高校生の体だと考えればいい。
これが成長して秋を迎え、完成される4歳春になったとき、どんな凄い馬体になっていることか。
静止状態の今の馬体と、秋になった頃や来春の馬体との比較を行ったときすべて立証されるだろう。
走法
皐月賞でも感じたことだがディープインパクトの走法は全盛期のオグリキャップに非常に良く似ている。
くどいようだが、その重心の低さがまず第一、そして頭の位置。
他の馬たちを交わしていくとき、直線で一頭だけ中腰でしゃがんでいるような低さで疾走していく姿が独特なのだ。<まるでポニーが他のサラブレッドをごぼう抜きしたように見えたのはcologneだけ?>
ライバル
皐月賞のパドック中継を録画して何度も見直した。
ダービーでのライバルになるであろう馬を探すためではない、菊花賞で警戒すべき真のステーヤー体型の馬がいるかどうかをチェックしておきたかったからだ。
皐月賞出走馬の中には一頭もいなかったと断言する。
これからは1勝馬、あるいは未勝利の馬たちまでチェックして、菊花賞でライバルとなる真のステーヤーを早く見つけておこうと思う。
不安要素を少しでも早く把握しておきたいから。
距離
ディープインパクトにも3000mの距離は長い。
同世代限定の菊花賞を皐月賞のメンバーで戦うなら負けることは考えられないが、秋にはとんでもない馬が出現してくるのもまた過去の現実。
ただ気性的に折れ合いに全く問題がないのでよほどのステーヤーが表れない限り問題はないと考えている。
今年の夏は楽しい夏になりそうだ。