私は村上春樹さんの描く人たちとか世界とかが大好きで

大学生になってからは特にその描かれている人たちの考え方や生き方に感心したり真似したり


そんな中のひとり、
『国境の南、太陽の西』の島本さん

彼女はかつて脚が悪くて、公平であろうとすることで孤立していた自覚的なひとりっこで、青いセーターがすきな女の子だった。

そして彼女は(手術と訓練によって)脚の悪くない、美しくて控えめで、青いワンピースを好む女性になった。

年に不相応な分別を身につけていた子供時代の彼女には友達ができなかったし
近寄りがたさを感じさせる、(島本さん自身の言葉を借りるなら)「外観の目立つ」美しい少女時代の彼女にもまた、友達ができなかった

そんな彼女は、いつでもとても美しい微笑みをうかべていた
つらいことがあれば一層、彼女はその魅力的な微笑みをうかべるようにみえた


そして物語のなかの【僕】はその微笑みを目にするたびに
子供時代の彼女の家で一緒に聴いたレコードの
プリテンドを思い出すことになる


つらい時に笑うのはむずかしい
つらい時に微笑むのはもっとむずかしい

すぐ泣いてしまう私には本当にむずかしい

そう思って

クロゼットに青い服がふえていっても、微笑むことは真似しようとしてこなかった
公平であろうとしても、微笑むことは真似しなかった


でも社会人になったここ3ヶ月、
微笑むことができるようになりたいと思って
つらい時にやわらかな微笑みをうかべられるようになりたいと思って


すこしずつ

つらい時に微笑みをうかべられる
少なくとも微笑みをうかべようとする自分でいたいと思う


ふんわり微笑んでいられるようになれたら
島本さんみたいに


島本さんはいつも【僕】を想っていたから
島本さんも【僕】と聴いていたプリテンドを思い出していたから
きっと素敵な微笑みをうかべることができた

私にもつらい時に素敵な微笑みをうかべるための
想いや思い出があるから

私もきっと島本さんみたいに微笑みをうかべることだってできる





そういえば会社の友達と同じ部署に【島本さん】がいる

その島本さんは
私より1つ年上で
とてもいいひと、だという

男の人だけれど。
夏のはじまり,夕方のにおい,
だんだんゆっくり夜になるかんじ

なつかしいな-って
過ごしてきた幾度もの夏のはじまりを思うのだけど

思い出すのはかならず,ひとりで誰かを思う夏のはじまりのこと

ひとりでその時その時私のいちばんだったひとのことを思っていたことや

会いたいって思っていたら夜がくることや

なみだの味がする夏の霞んだ星のことや

携帯が熱くなる暑い夜中の長電話のこと


23回初夏を迎えてきて
その半分以上は誰かを思って初夏を迎えてきた
さらにその半分以上は誰かが私を抱き締めたりして初夏を迎えてきた

本当に相手を受け容れることができるようになったのはちょうど3年前で

あまり相手に話したことはないけれど

小学生のころのプールの後みたいになぜか心細くて
戻りたいところがあるのに戻れなくなるような
すごく小さなものに還ってしまいそうな

そんな気持ちになってしまう


夏のはじまり。

夜の本屋さんはすてき

昨日は金曜だったからゆっくり本を選んだ

やっと慣れてきた会社の近くの
凝った模様のブックカバーをつけてくれる昔からある大きい本屋さん


高校3年生のとき,よく塾を抜け出してひとりで来ていた
その時とてもとてもすきなひとがいて
彼も本がすきだったから
いつもその人のことを考えながら
たくさんの本をながめてた

高校生だった彼が高校生だった私に
すすめてくれた本は今でも私のお気に入りだし

ここに来るといつも高校生のような
5年前のあのころのような
心細い気持ちになってしまう

でもその心細さは嫌いじゃない

今は誰かに心細いなんて言うには大人になりすぎてしまったし
誰かのとなりを独占して所有するにはまだ子供すぎる



いろんな色合いだけれどグラデーションになっているわけでもなく,
なぜかみんな明朝体のタイトルがならぶならぶ静かな空間


本屋さんがとても静かなのは
本が音を吸い取ってしまうから
雪が音を吸い取ってしまうように

雪は音を吸い取って消えてゆくけど
本はたぶん私より長く生きていく,存在し続ける
なんだか確かなものな気がする


本屋さんは実はいつも私を感傷的にするのです
It makes O C の構文

感傷的,センチメンタル
もちろん日本人だから 感傷的 の方が
しっくりくる気がする

たしかにそこに傷が,傷痕がある気がして
何度もさわって確かめてしまう


とにかく
そんな本屋さんでは
ライトもしくはポップなもの
メロウもしくはビターなもの
できれば1冊ずつ選ぶようにしていて


よしもとばななと谷崎潤一郎とか
星新一と山田詠美とか
柴崎由香とヘッセとか

今回はテッド・チャンと太宰治

タカノ綾推薦に惹かれて久しぶりにSF

本当はほしい本がいっぱいいっぱいあるのだけれど
なかなか追いつけない