ある日の帰宅後、お茶を飲みながら新聞を読む。

ふと袋が開いている「おかき」が置いてあるのを発見。

当時「おかき」は私が殆んど買っていたので、見慣れない袋であることに気付き、

「これ、どこで買うたん(関西弁で、こうた=買った)?」

「酒屋で買うたんや。小さい男の子連れて来てはってな・・・・


「まいど、酒屋です。」と言って裏口へ回って裏庭へ

「ほっ、この子、あんたんとこの孫かいな?」

「それが、ちゃいますねん、息子なんですわ。小学校4年生、10歳ですわ。

そやそや、おばちゃんに言うことあるんやろ?」

ジィ~と下を向いて、手に抱えている籠を見つめ、恥ずかしそうにモジモジしながら、

でも意を決したように・・・でも小さい声で

「あのぉ~、これ一つ350円です。3つ買うてもろうたら1000円です。どうですかぁ~?」

 

「で、買うたんかいな、これ」

「そやねん。あと、これとこれ買うて1000円やて」

「ちょっと、高いかなぁ~」

「まぁ、あのぼんの小遣いやで」