雑誌「経理WOMAN」を愛読していますが、ここ最近思うことがあり、久しぶりに雑誌についての意見を述べたいと思います。
 雑誌自体は最新の税法改正や社会保険、労務関係、債権回収方法など多岐にわたり経理担当者には有り難い内容となっております。
 ただ最近は「合理化」を提案されているケースが多く、現在のPC全盛前から経理をされている方々には違和感があると思うのです。何故なら経理はあくまで資格を持った人間が処理を行うプロフェッショナル軍団のチームだからです。つまり、プロとして仕事するのですから、ピンからキリまでステップがあります。本で読んで収集できるものは自分で頑張る、人の仕事を見ながら適当に参考にして自分のものにする・・・普通の事務でも同じなのかもしれませんが、特に経理は縦社会。会計事務所はもっと大変で、昔はトイレ掃除、運転手など完全に下働きが普通でした。銀行では帳簿付けと算盤が新米の最初の仕事でした。
 最近はパソコンが普及し、新米がする仕事がいきなりパソコンだったりします。それはそれで良いのですが、基礎的なことがスパッと抜けているから、実際問題、パソコンが無くなったら全く何も出来ない人が多いのではないでしょうか?(給料計算担当の方は多いと思います。だって数字を入れたら、それなりにカッコよく印字された給料明細が出てくるから。障害者控除や寡婦控除など特殊ケースがなければ、それで何の問題もなく完成する)。それどころか1億円のお金も実感を持ったお金ではなくなり、ただの数字となっているのではないかと思うのです。最近の横領事件を見ていると、する方もする方ですが、管理する上司も上司だと思います。パソコン化されてから経理担当者としての当たり前の常識とか、プロとしての感性、第六感とか、本来ならば無くてはならないものが退化しているとしか思えません。
 それと、パソコンでは簡単に訂正が出来ます。だから間違っても深く反省する時間が少ないので、事の重大さが判らなかったり、次にミスをしない方法を考えたりといった、ステップアップがされないような気がします。苦労しないと真の実力がつかないという、特殊な職種だと思うのですよね。数字が合っても、中身がない経理では意味がないんです。
 派遣社員を使うとか中国へ経理をアウトソーシングなんてこと、経理の常識では考えられないことです。誰でも出来るから、なんて簡単に考えるから、チョット小耳に挟んだ情報からブログやツイッター、2ちゃんねるで悪口の会社実名書き込みされるんですよね。そんなことしていたら会社、傾いちゃいますよ(元、倒産会社の社員ですから)。それどころか、日本に真の経理担当者がいなくなったら、本当に全ての会社が外国の傘下になってしまうような気がします。
 物事には必ず基本があります。その基本をアナログ的に苦労して取得して初めてモノになります。その時間を与えられるような会社作り、社会作りを目指して欲しいものです。なんでこんなこと書いたって?それは経理職か危機に瀕しているから。