「内側にもハシゴ付けておけよ!」
初回で描かれるのは主人公の紹介とその一義的な動機付け。
不条理な支配構造の中で、背伸びしても「どうせ世界は変わらない」し「変な夢は身の破滅」と自身に言い聞かせて来た少年は、親友と自らの理不尽な死が眼前に迫る中、胸の奥深く胎動する真の願望と向き合う。
この時点でC.C.言う所の「生きるための理由」、即ちルルーシュの願望に具体的な言及はないが、プロローグで示された「ブリタニアをぶっ壊す」という怒りに根ざすと想像できる演出になっている。その願いが狂言回しとの出会いによって血肉を与えられ、実態としての物語が動き出す。
…という所までをテンポよく、かつ手際よくまとめた印象の第1話だった。
冒頭の台詞は、主人公の人物造形のアウトラインが感覚的に伝わって来てニヤリとした場面。チェスの代打ちに始まる彼のパーソナリティ表現がここで初めて“解説記号の羅列”から離陸し、受け手の直感的な理解を得たとするのは穿ち過ぎか。
と同時に、これから描かれる出会い(C.C.にとっては再会?)が運命的なものであることを視聴者に示唆する台詞でもある。ただこれが文字通り人智を超えた宿命という設定なのか、今はまだ伏せられた必然に帰結する導かれたストーリーなのかは分からない。
ともあれ、かつて蝉時雨(せみしぐれ)の中で一つの風景を共有した三人の道行きが再び交錯し、この回のクライマックスである“契約”が提示される。
「力があれば生きられるか?」
主人公は契約を通じて「人とは違う理」から生ずる力“ギアス”を与えられ、物語を牽引する必然をも得る。そして、この人智を超えた力を使い最初に行ったのは殺人である。このことは彼の十字架になるのか。
