2023最初のオペラは、

ロイヤルオペラ シネマライブ
「アイーダ」
@TOHOシネマズ日本橋。


ヴェローナの野外オペラはじめ、
国内でも海外でも、
またミュージカルでも
何度も観た演目。


それなのに、
初めて観たかのような
印象を受けたのは、、


ヴェルディの原作では
古代エジプトとエチオピアの戦争、
というかなりエキゾチックな
状況を背景に描かれる悲恋物語、


のはずが、


現在の架空の国に
置き換えられて語られるから。


国旗は、
まるで北朝鮮と
ロシアを合わせたよう。


エジプト王のネクタイは、
赤で長く結ばれ、
まるでトランプ元大統領のよう。


飾られている元首の額の写真は
中国の習近平のイメージ。


また、
舞台装置は徹頭徹尾、
灰色の無機質な軍事施設。


衣裳も軍服、カーキ色、灰色。


女奴隷、
実はエチオピア王女役の
アイーダなんて、
灰色ネズミ。
主役なのに、
ライティングも
綺麗に当ててもらえない。。


アムネリスという王女の衣裳は、
いかにもアメリカ上流社会の
女性の好むスタイルで
統一されているのだけれど、
これがほとんどカーキ色。


これを演出しているのは、
ロバート・カーセン。


彼のインタビューが
あったのだけれど、
コロナ前の2018年に
全て決めていたようで
(コロナで公演が延期された)


まさか、
ロシアとウクライナ等、
現実の方が
舞台を超える事態は
予想していなかったよう。


今思うと、
そのシンクロ、すごいです。


だから、
高揚するメロディの
「凱旋行進曲」が、
葬送行進曲、
みたいに響いてきました。


ヴェローナ野外劇場では
トランペットが
左右のアリーナ袖まで出張って
声高らかに
吹き鳴らしていたのにね。。


こういう演出も含めて、
全部許しちゃう
イギリスという国の懐の深さ。




灰色、カーキ、武器倉庫、、

そんな無機質の中で
繰り広げられるオペラは、


なんと、
逆に声の豊かさ、
感情の起伏のカラフルさが
引き立ち、
なんとも素晴らしかったのです!


大好きなテノール、
メーリさまは、
前半声が安定せず心配でしたが、
後半持ち直し、
さすが、説得力あるラダメス。


初めて観た主役アイーダ役は
エレナ・スティヒナ。
本来はきっともっと美しい
プリマドンナなのでしょうが、
照明も衣裳もまったく
味方にならない状況で、
哀切極まる素晴らしい歌唱。


日本に全然来てくれない
スターバリトン、テジエさまが
エチオピア王を歌って貫禄!


名前が分からないけど、
黒人の長身のバスが、
クールな演技と
軽々と出す超低音で、
最高に魅力的!


そして、久々に見る
マエストロパッパーノさま!!


オペラを語る熱さ、
愛に、
やっぱり、
この人あってのロイヤルだわぁ、
と、
感動しきり、だったのでした。


ヴィジュアルは戦時中みたいで、
オペラ、という
華やかさからは遠いけど、
音楽は素晴らしい!


今の時代とのシンクロもあって、
これは観ておいて損はない
シネマライブだとお勧めします!

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