ロシアオペラ
ムソルグスキー台本・作曲
「ボリス・ゴドゥノフ」
@新国立劇場。
今、この時代に
ロシアオペラを国立劇場で
演る意味、を
よくも悪くも
感じずにはいられないオペラ。
事実、
スカラ座では
演目から外されたようだし、
共同制作のポーランドでは
上演されないまま。
今上演できるのは日本だけ、
でしょう。
ボリスは実在のロシア皇帝。
彼をモデルに
プーシキンが文学作品とし、
それとは若干違う解釈で、
ムソルグスキーが
台本化しているようです。
ボリスには
大きなトラウマがあって、
それは前帝イワン雷帝の
幼い息子を惨殺し、
自分が帝位を奪った過去。
それは偽物としての
自分の存在であり、
このオペラの中で、
幼児殺しと偽為政者、
この二つが軸となって
物語が進むのです。
ボリスと対立するのは、
高僧ピーメン。
これは
政治と宗教の対立でもあり、
ピーメンが仕立て上げる
偽皇子がやがて
ボリスを追い詰めていく。
この2人が共にバスの歌い手で、
息詰まる緊迫感!
昔も今も、
ロシアの闇は深く重く
救いようがないです。
かと言って、
後味が悪いかというと、
これが全く違う。
芸術監督でもあるマエストロ
大野和士さんが振る東響の音色、
重厚かつ哀切な
新国立劇場合唱団、
とにかく音楽が素晴らしいのです。
演出は、、最後の場面など
やり過ぎなところもありますが、
ネオン管を配した
キューブの装置がモダンで、
ロシアの昔の悲劇を、
現代に繋ぐ普遍性を
象徴しているようで素敵でした。
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