昨夜の

素晴らしいコンサートから、
もう24時間が経ってしまいました。



ムーティ指揮 ウィーンフィル

@サントリーホール、
備忘録。


去年の11月には、
コロナ厳戒態勢の中、
ゲルギエフと共に
来日を果たしてくれ、


もう、
その音を聴くだけで
心が震えたウィーンフィル。


今年はもう少し余裕の来日。
キラキラと光彩が跳ねて
輝くようなエレガントな音を、
ムーティさまが
ぞんぶんに聴かせてくれました!!



昨夜のプログラムBは、

シューベルトの「悲劇的」、


ストラヴィンスキーの
「妖精の接吻」による組曲、


メンデルスゾーンの交響曲
「イタリア」
という構成。



私は、といえば、

御年80歳のムーティさまを
ひたすら目に焼き付けたい、
という邪心もあって、


P席(オーケストラの後方、
指揮者と向かい合う席)の
一列目ほぼ中央をキープ(笑)


どんな一瞬も
見逃しませんわ!体制。


正面から見る
ムーティさまの指揮は、 
びっくりするほど
アイコンタクトだけで振るスタイル。


場合によっては
まったく左手を
動かしていないように見えるほど、
微妙な動き。


そしてここぞという時に
わあっと盛り上げる。


その動きも、
それはそれは知的でエレガント。


それを見ていて連想したのは、
今夏のオリンピックで見た
馬術競技「ドレッサージュ」のこと。


いくつかある馬術競技の中でも、
最も馬を人工的に調教して、
ほんの少しの指や手の感覚を
手綱を通して馬に伝え、


思いのままに誘導して
その正確さと美しさを競うもの。


ウィーンフィルは、
多分世界で最も敏感に調教された
オーケストラだから、
マエストロの微妙な指先に、
他のどのオーケストラよりも
敏感に反応ができるのね。


その調教され統制された美が、
最もよく発揮されたのが、
二曲目のストラヴィンスキー。


マエストロの意図には
ないかもしれないけど、
私には
この世のものとは思えないほど
美しいパッサージュが見えました。


抑圧や調教から来る
世にも美しいエレガンスから
一挙に開放されたのが、
アンコールの
ヴェルディ「運命の力」序曲。


手綱を緩められ、
人間的な、
自然のエネルギーがほとばしる!


そして訪れる
圧倒的なカタルシス。


さすがの選曲、構成。
さすがのマエストロ ムーティ!
さすがのウィーンフィル!!



ぽつぽつと降り始めた雨の中を、

興奮であたたまった
心を抱きしめて
傘もささずに歩いて帰った夜でした。

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