Netflixで「ホルストン」と
「フランカ・ソッツァーニ」を
見終わったら、
AIのおすすめとして
「ヴェルサーチ」が出てきました。
アメリカの犯罪をテーマにした
シリーズの第二弾。
7話もの。
2018年の制作です。
気になったので見てみました。
1997年、
ヴェルサーチがマイアミの
超豪華な別邸の門前で、
若くハンサムなフィリピン系の
男娼に殺害される、
というショッキングな
場面から始まります。
最期に立ち会ったのは、
ヴェルサーチと15年にわたり
パートナーだった
アントニオ・ダミーコ。
その役を、
ポップスターのリッキー・
マーティンが演じています。
また、家族としての
愛と確執に満ちた妹の
ドナテッラを、
プラチナブロンドに染めた
ペネロペ・クルスが!
すっごい豪華キャストなのに、
制作された2018年には
あまり話題にならなかった
ように思うのは、
私が知らないだけ?
もしくは、
殺戮の場面があまりに凄惨だから?
もしくは、
ゲイとして差別を受けたり
アジア系としてイジメを
受けたりする犯人の描き方が、
今のLGBTQの時代感とずいぶん
違ってきているからかしら。
かなりエグい描写。
私がこのフィルムに興味を
惹かれたのは、
もう一つ理由があって、
実はリッキー・マーティンが
演じた愛人アントニオとは、
ロンドンの英語学校に
通っていた時の
同級生だったからなのです!
ちょうどヴェルサーチが
デザインを担当した
モーリス・ベジャールの
バレエ衣裳の
アシスタントをしている頃で、
ロンドンではオペラやバレエ、
ミュージカルに通って勉強していて、
趣味がバッチリ合う私たちは
放課後よく遊びに
出かけていました。
女性1人ではとても入る
勇気のないクラブにも、
彼と一緒なら大丈夫。
元モデルで超カッコいい
アントニオは、どんな場でも
すぐに溶け込んで人気者。
しかも、ゲイだから、
変な気を使う事なく一緒にいられて、
最高の相棒でした。
英語学校を離れた後も、
ミラノコレクションに取材に
行くたびにアントニオに電話して
カフェCOVAでお茶したり、
ヴェルサーチのオフィスに
遊びに行ったり。
モンテナポレオーネの街角で
待ち合わせした時なんか、
アントニオが夕陽を背負って
私に向かって歩いてくる姿が
あまりに美しくて、
私たちが会ってハグしたとき、
周りの日本人観光客の
嫉妬の目が
突き刺さってくるようだったわ。。
1997年のマイアミの悲劇の後、
その頃はメールも携帯もないから、
いつも掛けていたミラノの
オフィスの電話番号に電話したら、
アントニオ・ダミーコという者は
居ない、と冷たく言われて、
その後どんな運命が
彼に降りかかったのか、
あれから
ずっと心配していたのだけれど、
このNetflixのフィルムで分かった。
やっぱり、
妹のドナテッラ(嫌い!)
演技としてのペネロペ・クルスは
とても素晴らしいのだけれど、
だからこそ愛人でしかない
男の悲劇が胸に迫ってくる。。
ミラノのオフィスや、
夜の高級クラブなど、
かなり事実を取材し、
史実を踏まえて
作り込んでいる作品で、
1980-90年代のファッション界の
事情も本当によくわかる。
AIのおかげで
思いがけなく35年前の
ヴェルサーチとアントニオ、
その世界に再会できたのでした。
ファッションフィルムではなく、
あくまでクライムフィルムなので、
かなりエグいけど、
そこらへんは飛ばして、
80-90年代のファッションと
流行の研究資料として見ると、
たいそう面白いと思います。
ファッション関係の方々、
おすすめです!!
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