いやあ、面白かったです、
METの「アグリッピーナ」
シネマビューイング@東劇。
ヘンデルのオペラは、実は初見。
この2月の来日公演
「シッラ」を
楽しみにしていたのに、
残念ながら
コロナで中止となったため。。
11時に上映が始まって、
一度の休憩を挟み、
なんと3時まで。
長い長い、
それなのにちっとも飽きず、
悪女アグリッピーナの織りなす
権力とSEXの喜劇、
出演者の素晴らしい演技力と、
歌唱の超絶技巧の競演に
酔いしれました!!
ローマ帝国皇帝を、
自分の息子ネロッロ(ネロ)に継がせ、
操ることで
自分で権力を握りたいと、
あの手この手で繰り出す
悪いたくらみ。
ジョイス・ディドナートも
素晴らしいけど、
息子ネロッロ役のズボン、
ケイト・リンジー
(普段はかなり美人のメゾソプラノ)の
イケてる役作りには
すっかり心を持っていかれました!
とにかく身体能力がすごい!
あの超絶コロラトゥーラを
腕立て伏せしながら
歌い切ってしまうのだから。
インタヴューで、
この振付を知ってから
すぐジムに通って、
心拍数がすぐに元に戻るよう、
身体を作り上げたと
語っていたけど、
ああ、
新しい時代の
オペラスターだわ、、
と感動 しました。
髪型も全身に入れたタトゥーも
パンクな服の着こなしも、
何もかもイケてる!
権力より、愛を求める
勇者オットーネ役の
カウンターテナー、
イェスティン・ディヴィスの、
神の声のように降り注ぐ
澄んだ歌声。
醜い権力闘争の中の、
一筋の救いの光のような歌声にも、
心をぐっと掴まれました。
素晴らしい!!
舞台中央に高々と配された
金の高い階段は、
権力の象徴ね。
ローマ帝国時代を
現代に読み替えた演出は、
いつの時代にも普遍的な、
権力と愛、
政治とSEX、
人間の欲望の醜さとはかなさを、
最高の説得力で
描き出していました。
ヘンデルのオペラも、
演者と演出に恵まれると、
本当に面白いのね。
今までちょっと
敬遠していたけど、
これからは積極的に見ていこうと
思ったのでした。
#MET #オペラ #シネマビューイング #アグリッピーナ #ヘンデル