原田マハの超大作「風神雷神」
上下巻、
ただいま読了!


風神雷神、と書いてラテン語で
「ユピテル アイオロス」と読む。
何故かは種明かしになるので
書けないけど、


これは、原田マハ史上、
最高に壮大な
歴史美術ロマン小説です!


主人公は、2人。
少年時代の俵屋宗達と、
少年遣欧使節団の一人として
ローマ教皇に初めて謁見した
四人の使節団の少年たち。
中でも副使として選ばれ、
のちマカオで没した原マルティナ。


上巻では、宗達、
なんと織田信長に絵師としての名前
 「宗達」を貰い、
当代最高の絵師、
狩野永徳との共同作業で、
洛内洛外図屏風を描いてしまう!


下巻では、
遣欧少年使節団に加わって
ローマ、フィレンツェ、ミラノを回り、
なんとカラヴァッジョと
親友になってしまう!



何という、とんでもない発想の飛躍!
圧倒的なフィクション!!


宗達は名前が知られている割に、
実際の生涯が
ほとんど知られていない絵師。


ただ、織田信長と狩野永徳と
少年使節団とカラヴァッジョが
生きた時代に
宗達も生きていた、
という同時代感だけが史実。


そこに目を付け
発想を限りなく飛ばし、
こんな壮大な物語を構築した、
原田マハの素晴らしさ!


新聞小説だったらしく、
何度も繰り返し出てくる表現が
若干気になりますが、


宗達、原マルティナ、
この2人の主人公の友情、
人柄の作り込み、
書き分けがとてもよく、
文章に疾走感があり、
何度も胸を熱くしながら
読み進められます。
上下巻があっという間!


この時代の絵師たちをテーマにした
文学はとても面白くて、


狩野永徳には
山本兼一の「花鳥の夢」、

長谷川等伯には
阿部龍太郎の「等伯」

そして、俵屋宗達には
この原田マハの「風神雷神」


この3冊をまとめて読むと
ますます興味深い読書体験になりますね。


そして、どの本にも必ず
出てくるのが織田信長!
この稀代の天才の美意識、
人の才能を見抜く力の高さ。


この本の中でも、それがとても
魅力的に描かれていて、
天才フリークの私の心に
ひときわ響くのです。

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