なので買ったままkindleにツンドクになっていた本がドンドン読める!
さっき読了したのは、2017年に単行本、去年の暮れに文庫化された
塩田武士著「騙し絵の牙」
もう、超!面白い、
超!身につまされる!
何故文庫本の方を購入したかというと、こちらには俳優 大泉洋さんの解説が付いているからなんです。
というのも、この小説、大泉洋さんを主演に据えたイメージモデル小説。当て書き、というのはあるけど、主演小説、というのは初めて知ったわ。
主演・映像化されることをまでを最初から狙って書かれたもので、
実際に今、映像化が着々と進んでいるそう。さすがカドカワ。
で、内容。これがなかなか、、
内部事情を本当によく取材していて、胸が苦しくなるほど。あー、似ている状況で実際に仕事していたなあ、と。
主人公は、大手出版社のカルチャー雑誌編集長。
ご多分に漏れず、雑誌はどんどん赤字を積み重ね、何らかの方法で黒字化し、数字で示さないと「廃刊」になるぞ、と上司から言い渡される。
しかも、同期入社の男がオンラインを充実させてライバルとして強力に攻めてくる。。どちらかひとつのメディアしか、生き残れない状況。
コンテンツ二次使用でムックにまとめたり、単行本を作ったりと奮闘する日々。テレビに映像化を持ち込んでも、軽〜くあしらわれてしまい。
そこに、パチンコ業界から年間契約のタイアップ記事及び取材費協力費としてかなりの額の提示があるのだが、
それには、煮ても焼いても食えない感じの大作家を口説かなくてはならない、難しい条件が付いていて、、
あー、こんな感じ、私はファッション誌、ビューティ 誌だけれど、ディテールは違えども、すんごく、分かり過ぎて辛い。胸が詰まる。
会社で言えば、編集長って、課長だものねー。
もちろん、ひとつのホンの全責任を負うから普通の会社の役職とはかなり違うけれど、中間管理職としか言いようのない、この小説のような状況は常にあったわ。
そして最後、色々あって、スカッとどんでん返し??な訳ないよね。
半沢直樹じゃないんだから。
そしてそして、もう一度、違う意味のどんでん返し!で、「騙し絵の牙」の意味がやっと分かる、、
なかなかこの構成も面白い。
出版業界の方々には、身につまされ過ぎて辛いかもしれないけど、読む価値あり!
大泉洋さんて、見た目よりもずっと内部に「深い闇」を抱えている役者さんかもしれないね。
作家の鋭い眼がそれを見抜いて、この、イメージモデル小説を作った。
おススメです。
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