明日25日までの公開、ということで、
アレキサンダー・マックィーンのドキュメンタリー映画を観てきました@TOHOシネマズ日比谷。

ファッションデザイナーのドキュメンタリーは流行らしく、近々ならヴィヴィアン・ウエストウッドやマルタン・マルジェラなど、いくつか公開され、観てきましたが、、
うーむ、なかなか核心に迫れず、不満が残る出来上がりでしたけど。。

マックィーンのこれは、それらとは一線を画す、ドキュメンタリーとしては素晴らしく優れた作品なのですが、

それ故に、なかなか、辛い。。胸が痛い。。見終わった後、しばらく茫然として立ち上がれないほど。。

その昔、日本にショーで来日した折、最後に挨拶に出てきたとき、
Tシャツにジーンズにチェックのシャツ、と、
あまりに素朴な服装の、
あまりに普通に見える小太りの、オニイチャンだったのに驚いたことを思い出しました。

創り上げる比類なく美しい作品と
実人物の間の、あまりの格差。。

実際、彼の卒業作品全てを買い上げ、ファッション業界のスターにするために様々な骨を折った、大恩人のイザベルを、いとも簡単に裏切ったり、

ジバンシイを去り、グッチグループに鞍替えするときの、あまりに人間的に如何なものか、と思われるエピソードも、わりと赤裸々に語られたり、、

作品の、狂気を含む崇高なまでの美しさに比べ、
なんと世俗にまみれた実

人生だったことか!
その差が、若くして人生を自分の手で終わらせなくてはならなかったひとつの理由に思えてなりません。

また、彼がHIV陽性だったことも、この映画で初めて知りました。

マックィーン本人が作っていない今のブランドには、英国で見ても、どうしても魅力を感じられなかったので、

せめてパリで大昔に買ったマックィーンのスカル柄の大判スカーフなどを、並外れた天才の形見として、大切に使っていこうと思うのでした。