もうずいぶん前になりますが、先輩に誘っていただき、二月国立小劇場 文楽を観てきました。
前半は、人間国宝の簑助さま。大病されてから大きなお役はなさらなかったようですが、この2月は特別!
命が吹き込まれたような人形遣いに、息を飲みました。
これぞ人間国宝、すごい!
後半はお目当ての壇浦兜軍記 阿古屋琴責。
阿古屋は、玉さまの歌舞伎で何度も見たのに、いまひとつ、その面白さが分からなかったのですが、
この文楽で、ついに開眼!
歌舞伎の場合、琴、三味線、胡弓の三種を、弾きながら歌いながら演じるので、女役の最高峰、最難関と言われ、長い間玉さま以外は演じられる人がいなかった難役。
それだけに、玉さまが琴を弾き始めると、会場全体がシーンと静まり返り、息をするのもひそめる感じで。玉さまの演奏は繊細で素晴らしいのだけれど、特に琴では音量が低すぎて、たまに音が揺れ、、
なーんて、こんな事を言うと、わかってないくせに、と言われるけど、(ほら、日本は同調圧力が強いから)
そのせいで阿古屋の本当の面白さがなかなか伝わらない、と常々思っていたわけで。
文楽では、人形遣い、台詞を務める太夫、琴、三味線、胡弓が別々に存在し、それぞれが最高のパフォーマンスを見せつつ連携し三位一体化するため、
それぞれの曲の途中で盛り上がりの拍手が自然に沸き起こり、
あー、これこそ、阿古屋の本質よねー、と初めて腑に落ちたのでした。
エンターテイメントなのよ、これは。
人形の阿古屋をつかうのが桐竹勘十郎さま。三味線のときは、バチの付いた手に替え、曲に合わせて素晴らしい動き。
左遣いの指先が三味線と胡弓の時は指関節が自在に動く手に替えられ、曲に合わせて目にも止まらぬ動き!
主遣いと共に、左遣いの方も黒布頭巾ではなく、顔を出していました。
目が悪いので文楽はよく見えないから、と敬遠していましたが、
すごい秘密兵器を手に入れたからもう大丈夫。(興味ある方にはこっそり教えちゃいますね)
見場はちょっとカッコ悪いけど、めちゃくちゃ良く見えます。
これを契機に、文楽にもハマってしまいそうで、怖い怖い。。
でもまた、面白そうな演目があれば誘っていただきたいです!
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#桐竹勘十郎