今日はちょっと辛口なの。
昨晩のシュツットガルト・バレエ「白鳥の湖」@東京文化会館。

オデット/オディール:アリシア・アマトリアン 
ジークフリート王子:フリーデマン・フォーゲル

先週大興奮だった「オネーギン」から1週間。
シュツットガルトを代表する、オネーギンと同じペアだから、超期待して行ったのだけれど。。


良かったのは、衣装。
ゴージャスこの上ない刺繍、ビーズ飾り、そして渋いゴールドの配色。
また、第3幕の宮殿の舞台装置も良く、これぞクラシックバレエという華麗さ!

で、何がちょっと不満かというと、
まさにオネーギンで感激した主役のふたり。

今放送中のフィギュアスケートに例えちゃいけないかもしれないけど、要するに、演技構成点(芸術点)90対技術点(アスレチック点)10、くらいで、、

決め、は最高にエレガントで素敵だから、つい拍手しちゃうんだけど、グラン パ・ド・ドゥの最大の見せ場で、フォーゲルさまのジャンプは低いし(シクシク)
アマトリアンさまの32回転は途中で回転速度が落ちて止まりそうだし(シクシク)足はどんどん下がってくるし、、ああ。。

前髪を下ろして若見えのフォーゲルさまはともかく、
アマトリアンさまはメイクのせいもあるのか、今まで見た中で最高齢の白鳥だったわ、おばあさん過ぎ!


肉体の芸術は、本当に難しい。

内面の成熟の上昇曲線と、筋肉の力の下降線とが交差する、一瞬の煌めき。

そして、その煌めきの時間の長さを少しでも長くとどめようとする、気の遠くなるような努力と鍛錬。

もう一つ、不満だったのは、シュツットガルトの最大の売り、クランコの古典版による振り付け。
特に、4幕最後の終わり方。
ネタバレになるので書けないのだけど、

私の少女の頃は、王子とオデットが2人で手に手を取って、あの世で永遠に結ばれる、、という振り付けに胸ときめかせていたものだけれど。

それから時代は移り、色々な解釈が生まれて、それぞれに説得力あるフィナーレなのだけれど。。

今度のシュツットガルトのは、
え?今の時代に、これなの?という。。

白鳥の湖は、少女時代から何百回見たか分からない程見てるので、

特に、今年の夏、英国ロイヤルでの超斬新なワディムさまが踊ったプロダクションをシネマで観て、
今までの白鳥の概念を全て更新するような感動を味わったのを昨日のことのように思い出せるので、
今回のは???感が強く感じられたのかもしれませんね。。


あー、思い入れが強すぎて、長く書き過ぎてしまいましたあ。

#バレエ #シュツットガルト
#白鳥の湖