まだ学生の頃
自転車で帰宅途中道の真ん中で
向こうをむいて立っているおじいさんに
出会いました
ちょっとじゃまな場所に
立っていらっしゃいましたし
自転車で近づいても
お耳が遠いのか
どいてはもらえませんでした
すぐ横を自転車で
なんとか通り抜けました
その晩
近所の人がいらっしゃいました
◯◯さんのところのおじいさんが亡くなられて
通夜と告別式のお知らせでした
◯◯さんのうちは
先程道路におじいさんが立っていた
すぐ横の家です
母に
さっきその人のうちの前に
おじいさんが立ってたよ
じゃあ
知らせを聞いて
身内の人が来てたんだね
誰かまた身内の来る人を
道路に出て待ってたんかな
と話していました
近いとはいえ
そのあたりの家の人たちは
新しく建った住宅で
あまりどんな人が住んでいるか
学生の私は知らなくて
立ってたその人に
あいさつしなかったけど
親戚の人ならまあいいか
と思ってました
母は近所という事で
お手伝いに行きましたが
帰ってくるなり
◯◯さんとこ
あんたが立ってる人を見た時間は
病院で亡くなられたちょっと後ぐらいで
まだ親戚の人とかは
自宅に来てないと言ってたよ
じゃああの人は
向かいの××さんちとか?
あのあたりには他には
おじいさんというほどの
年齢の人は住んでないよ
私の見たあのおじいさんは
ずーっと道路の先の方をながめていて
横を通った時
微動だにしなかったけど
ちゃんとそこにいる人間でした
たまたま通りがかりの人が
たまたまあの家の前に立ってたんだと
思いたいです、、、
でも◯◯さんちでは
亡くなられたおじいさんが
東の方に住んでる娘さんが来るかなと
待ってたんを私が見た
という話になっていたそうです