大好きなひと。
俺はいつから忘れたんだろう。
一通のメールの嬉しさ。
俺のどんなことも喜んでくれることの幸せ。
この鈍感な腕は抱き寄せる肩の柔らかさを
この無神経な肌は触れ合う同じくらいの体温を
このビー玉のような眼はこの世で一番美しい笑顔を
この角栓だらけの鼻は風に帯びる髪の香りを
この低容量な脳みそはそれら全てを俺に知らしめす記憶を
このくだらない心は何もかもを幸せに置き換える力を
いつの間にか輝きを輝きと思うことなく
喜びに胸踊らせることなく
ただのんべんだらりと暮らすことを俺の全ては常とした。
始まりの俺はもっと
俺の思う理想の「俺」だった。
大好きなひとの柱となれた。
今はどうだいわがまま放題自分勝手を撒き散らし
俺の後ろで俺が泣く。
情けねぇと俺が泣く。
もう一度チャンスがあるなら、今一度あの人を守りたい。
それができれば他に何が劣ろうと
悔しくなかった俺になりたい。
もっとまっすぐ愛したい。
あなたのためなら頑張れる。
何万回でも言い聞かせるように、
俺はあなたのために生きて生きて生きたい。
あなたが選んでくれた男は
もう間違いなんかないって
あなたに愛されたい。
それ以外いらない。