コインランドリーを始めて今まで実際にあったお話です。

どこのお店にも置いてあると思うのですが、

お客様が洗濯物を入れるランドリーカート。

これって腰の高さくらいのかごにキャスターが付いたもので

洗濯物が重かったり大きかったり、量が多かったりすると

ドラムから取り出す際に便利で作業が非常にしやすくなります。

使用の際のルールとして、基本的にランドリーカートに

乗せていいものは洗濯済の洗濯物だけです。

基本的にと書いたのは、洗濯前の洗濯物をドラムに

投入する前に一度ランドリーカートに入れるお客様も

いらっしゃるからなのですが、その場合は洗濯物を直接

ランドリーカートに入れるのではなく、袋などに入れてあることが

暗黙の了解としてあります。

そういうルールの上に、ランドリーカートの清潔保持があるのですが、

今回の客は子供を入れてました。しかも土足で!

 

正確に言うと客自身が子供を入れたのではなく、おそらく子供が

自ら入って遊んでいたのでしょうが、普通の良識のある親であれば、

子供に注意してカートから降ろすでしょう?

しかし驚いたことにその客は、ランドリカートに乗った子供を

笑顔で写メを撮り始めたんです。

 

その様子をたまたま防犯カメラで職場で見ていたので、

急いで仕事を片付け、速攻で店舗に向かいました。

何とかその客が帰る前に店舗にたどり着き、ランドリーカートは

子供を乗せる遊具と違うこと、普通のお客様は洗濯の終わった

洗濯物を入れるのに使用されているので土足などで乗られると

非常に迷惑なことを面と向かって言えました。

そしたらその客、自分の子供に向かってこう言いました。

『〇〇くんのせいで、パパお店の人に怒られてしまったやん』

はあ?〇〇くんには怒ってないよ?!

怒ってるのは良識のない父親のてめーにだよ!!!

って言葉をぐっと飲み込んで店舗を後にしました。

 

機械を使用するのにお金を払った時点で、客なのかも知れませんが、

他のお客様の迷惑になる客なんぞ要らんからな。二度と来るな。

コインランドリーを開店しまうとオーナーの仕事は基本2つになります。

①店舗の掃除

②集金

どちらもパートさんやアルバイトさんにお願いしてしまう事も可能ですが、

当然人件費が発生しますし、集金はいろいろとトラブルも起きそうなので

結局どちらも自分でやってます。

 

掃除は毎日するので、会社帰りにコインランドリーに寄って

掃除をして帰ると言うのがルーチンになっています。

(集金は2日おき、今は4日おきにしています)

ただ店舗は年中無休24時間営業なので、当然掃除も年中無休です。

たまに休みたいなと思う日もありますが、使用されるお客様に

不快感を与えない為には欠かせない仕事です。

 

ほとんどのお客様はルール通り丁寧かつ綺麗に使用して下さるのですが、

やはり一部のマナーを守れない人間は一定数います。

そのような方は個人的にはお客様と認識していないので、

当店に来ていただかなくてもいいですし、はっきり注意したいのですが、

それがなかなか出来ないのが無人店舗の難しいところです。

その辺りの事は、おいおいシリーズ化して書いていこうと思ってます。

 

上記のようなことがあるので、掃除・集金以外にも

監視カメラのチェックが結構な頻度で仕事になってしまっている点はあります。

あとは機械の稼働状況が気になってついつい見てしまいます。

一時期ひどい時は10分毎にチェックしていたくらいです。

そこまでいくとちょっと病的ですね…

普段は無人のコインランドリーですが、さすがに開店日は店頭に立ちました。

機器メーカーの方とガス会社の方が応援に来て下さり、

おっさん3人で接客…お客様からしたらいない方が良かったかも。

 

午前10時開店予定で9時30分にはスタンバイも終わり、

お客様が来て下さるか不安でいっぱいでしたが、

なんと9時45分くらいから入口周辺にお客様が並び始められたので

予定より10分程早く開店しました。

その後も1時間に4~5人は来られる感じで順調でした。

ひとまず初日から閑古鳥が鳴く状況は避けられ、

ホッと胸を撫でおろした記憶があります。

 

お客様の数も落ち着き始めた午後4時くらいに、

店頭に立つのは手仕舞いにし帰路につきましたが、

普段立ち仕事をしていない身には、なかなか堪えました。

 

結局開店日には50人程のお客様が来店され、

いいスタートを切ったと思ったのも束の間、

その翌々日の4月7日に緊急事態宣言が発令されました。

店舗が決まってから今度は銀行との借入交渉へ。

ざっくり2,000万円程の資金が必要だった為、全額借入する予定。

銀行の担当者と打ち合わせする中で、金融公庫の事業ローンで

いこうとなったのですが、結果的に不可。

事業ローンはその事業で生計を立てる人が借入できる制度らしく

私の場合、サラリーマンとの兼業を考えているので、

事業には当たらないと判断されたようです。

あくまで生計はサラリーマンの給料で賄われてますよね?!

ってことらしいです。

資金調達できないとヤバい!!ってなったのですが、

銀行から何とか融資を取り付けて資金は用意出来ました。

これは逆にサラリーマンをしていたことが功を奏しました。

サラリーマンをしている会社のメインバンクから借りたんです。

 

資金調達が出来たので、今度は店舗作りに取り掛かります。

今、思うとこの時が一番楽しく夢があったかも知れません。

コインランドリーメーカーとはどの機械をどれだけ入れるとか、

内装業者さんとは、どんな間取りでどんな壁紙にするかとか、

イメージを形にしていく過程は面白いです。

店舗のコンセプトは高級感と清潔感、まぶしい照明でピカピカしてるより

暖かい感じの照明で落ち着いた空間作りを心掛けました。

内装業者さんも抽象的な支持や無理難題をうまく形にしてくれ、

お客様に受け入れられるかどうかは分かりませんが、

私自身は初めてにしては満足のいく店舗が出来たと思ってます。

 

開店日が決まり、オープン記念半額セールの新聞広告を入れ、

あとは開店を待つばかりです。

コインランドリーを始めようと思ったのは開業の約1年前。

最初はなんか良さそうかな?という興味本位でしたが、

ネットなどでいろいろと調べていくうちに考えるより

とりあえず始めた方が早いと思った訳です。

まずフランチャイズにするか否かで迷いました。

フランチャイズの方がマニュアルやノウハウはあるけれど、

フランチャイズ料は少なからず持っていかれるし、

逆にフランチャイズでなければ、お金はとられないけれど、

マニュアルやノウハウはゼロ。

そこでこれはと思うコインランドリーメーカーに

問い合わせしてみました。

そうするとメーカーの営業マンが連絡をくれ、

お会いして話をすることに。

その中で開店までのサポートは結構充実していることが分かり、

結局フランチャイズなしで決めました。

 

最初にしたことは空き店舗探し。

自分なりにこれはと思うところをひたすら営業マンに送る。

すると営業マンが選別をしてくれました。

まあ最初はひどかったです。

10件送って10件ともダメなんてことはざらで、

これは!と思うところは営業マンが実際現地に行って

見てくれるのですが、そこまでになるまでは情報の段階で即却下。

営業マン曰く、この段階で大半の方がコインランドリーの開業を

あきらめるそうです。

それでもひたすら続けてると不思議なもので、自分でも何となく

コインランドリーに向いてるかどうかが分かってきます。

そのうち送った半分くらいは営業マンが実地調査に行ってくれるように。

でも結果として全滅ということが多かったです。

 

4ヶ月程経ってやっと不動産屋で話を聞く物件が出てきました。

ここからは具体的な条件交渉になってくるので、

こちらがいいと思っても向こうから断られることも。

そんなことを繰り返しながら紆余曲折あって、やっと店舗が決まりました。

開業構想してから半年以上が経過していました。