しおじのし -16ページ目

   しおじのし

  ー裏路地の one dropー

けたたましい目覚ましなっても
彼女は目を覚まさない
僕もこのまま覚まさないのかも
番号のふられた白い箱
モザイクに並べた五階建ての城で
『もう、夢見がちな人生やめろよ。』

現実見ないでこんなに年をとった。
ドライヤーかけたブラシに
白髪も混ざった。
梅雨の晴れ間も街に出掛けない。
オサマリのいい白いシャツ着て
『あれ?胸の番号、何番だっけ?』

知りたい?
番号知りたい。
そうしたらずっと私達と一緒。
いいじゃない?
いいの?
それだけは大切にしてたんじゃない?
していたはず。

窓を開けたんだ…
右に流れる大勢の雲
みんな友達の為に戦闘う。
少しは強くなった風が聞こえる。
親たちの願いはきっと忘れたからだろう。
『快晴。』


時間や空間の感覚
麻痺しているんだ。
この地に生まれた事だって
彼女の存在価値を
必死に忘れたからだろう。
嫌いになる
悪人にしたてる
低能で差別的なまとまりを
また創り上げていくだけなのだ。


背中合わせでも構わない
あなたの隣で飲みたかっただけ
駄目な人生をなぐさめる
一人の人生を悔やむ
そんな打算があったのかも。
一杯
薄汚れたカウンターの
爪先立ちなこの席の隣で。