ゆう@子育てパパ

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18年にわたり北アルプス・立山連峰や剱岳などでの人命救助で活躍した県警ヘリ「つるぎ」が老朽化に伴い、今月末で任務を終える。
現行機は2代目として1996年3月に配備。27日現在で飛行回数は4164回、総救助数は658人(生存救助549人、遺体救助109人)で、ヘリ1台保有の単機配備県では全国トップの実績を誇り、この間無事故だった。
数々の山岳遭難救助のほか、97年のロシアのタンカー・ナホトカ号重油流出事故では現状把握、2000年とやま国体では警備に貢献。07年には北陸自動車道を逃走する犯人を追跡、地上の警察官と連携して逮捕につなげた。
退役式が28日、富山空港の県警航空隊舎で行われ、櫻澤本部長が「県民や立山を訪れる登山者の安全を守る翼として広く親しまれた。心から感謝したい」と述べた。初代つるぎから約25年間、操縦士を務め、2代目つるぎと一緒に退役する前航空隊長の高橋究航空隊補佐(60)に、小倉良久航空隊整備長や高瀬洋山岳警備隊長が送別の辞を贈った。
■「1人でも救いたい」胸に ともに引退の高橋操縦士
「1人でも多くの命を救いたいという思いだった」。高橋航空隊補佐は操縦かんを握った約25年間を振り返り、後輩たちに人命救助の翼を託した。
民間ヘリ会社に9年間在籍後、1989年1月から県警で初代、2代目のつるぎの操縦士を務めた。飛行時間は6千時間。3月に定年退職となった後もつるぎの引退に合わせ再任用され、働いてきた。
一番印象に残っているのは97年3月の剱岳からの転落事故救助。吹雪と濃い霧でヘリからの救助が絶望視される中、10回以上もアプローチを試み、救助に成功した。
単発エンジンだった初代機は非力で大規模遭難では民間の大型ヘリや自衛隊ヘリに頼らざるを得ず悔しい思いもしたという。高性能の3代目を操っていく後輩たちに「無事故で県民の安全と安心の翼であり続けてほしい」とエールを送った。
■3代目 11月20日から出番
後継機となる3代目「つるぎ」は、11月20日から現場で使用される。イタリアのアグスタ・ウエストランド社製「AW139」で、これまでの小型機から中型機となる。搭乗人員は倍の16人。最高速度は260キロから310キロにアップする。生の映像を地上に送信できるヘリコプターテレビシステムを搭載し、災害現場での活躍も期待される。
北日本新聞社