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ゆう@子育てパパ


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 ストレスがたまって、お腹の調子を悪くしてしまった。多忙な現代人なら心当たりがある人は少なくないだろう。こういった悩みを解消する作用が特定の乳酸菌にあることが、カルピスと徳島大学の共同研究によって突き止められた。脳と腸が互いに連絡を取り合って生体を維持する「脳腸相関」と呼ばれる機能を活用し、整腸作用に加え、ストレスも緩和するというものだ。近く、この乳酸菌を含んだ第一弾商品がカルピスから発売される。乳酸菌の新たな可能性を切り開くものとして注目を集めることになりそうだ。

【図解】脳腸相関と「プレミアガセリ菌」の働き

 この研究を進めてきたのは、カルピスの発酵応用研究所と、徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部の六反一仁(ろくたん・かずひと)教授。先の日本睡眠学会定期学術集会で発表されたほか、9月1~2日にオランダで開催された国際乳酸菌シンポジウムでも研究成果が披露された。



 ヒトの身体に作用し、ストレスさえも解消するという優れた効果が確認されたのは、カルピスが保有する「プレミアガセリ菌CP2305」という乳酸菌だ。同乳酸菌の効用を解明するうえで、大きなポイントになった脳腸相関のメカニズムを、まずひも解いてみる。



 もともと生物は腸から進化が始まり、身体の司令塔である脳も腸が神経細胞を発達させ、進化の結果としてできた臓器だ。こうした経緯もあって脳と腸は、情報を相互にやり取りし、さまざま機敏な対応を取ることができる。



 例えば腐ったものが腸に入ると、腸は危険を察知して自ら下痢を起こす。腸だけで対応できない場合、腸は脳にメッセージを送り、脳内の嘔吐をコントロールする部位を刺激し、腐ったものを体内から吐き出すよう仕向ける。こういった脳と腸の双方向のかかわり合いが脳腸相関の概念だ。不安などの強いストレスを受けた場合にも、脳から腸に情報が伝わり、腸の動きが変化して下痢などを引き起こす。



 一方、乳酸菌は摂取することによって、腸内で悪玉菌を追い出したり、水分調節をしたりすることが知られている。研究者らは、脳と腸が脳腸相関によって強くかかわり合っている以上、乳酸菌の腸への作用を、さらに脳へもメッセージとして伝えられるに違いないと考え、乳酸菌によるストレス緩和の実証という一連の成果につなげた。



 それでは「プレミアガセリ菌CP2305」には、具体的にどういう効果が認められるのか、改めて整理すると、まずは乳酸菌が本来的に持つ便秘や下痢の改善などの整腸作用。もう一つが脳腸相関によるストレス緩和と睡眠改善効果だ。これらの実証にあたっては、マウスと実際に人間に飲用してもらうヒト試験の複数の手法がとられた。



 ヒト試験では例えば、脳の血流量の変化を調べる試験が行われた。ストレスを感じている人が同乳酸菌を4週間飲んだところ、脳の一部の血流が抑制され、ストレス感受性を低下させることが示された。同様に同乳酸菌を4週間飲んだ場合と、飲まなかった場合のストレスホルモン分泌量の比較試験でも、脳からの指令によってストレスホルモンを減らす働きをすることが判明。さらに、心の状態を確認するため、解剖実習などでストレスを受けがちな医学生24人に協力を得た2カ月にわたる飲用調査では、同乳酸菌によるストレス緩和と不眠解消の効果が確認できたとしている。



 六反教授は「飲料分野で新たな潮流をつくり出す可能性がある。この乳酸菌にはそれだけのインパクトがある」と話している。