ゆう@子育てパパ

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★ソチ五輪2014
■スケート フィギュア(現地13日)
恐るべき19歳だ。フィギュアスケートの男子ショートプログラム(SP)で五輪初出場の日本の若きエース、羽生結弦(19)=ANA=がSP史上初の100点超えとなる101・45点をマーク。自身が持つ世界歴代最高得点を塗り替え、堂々の首位に立った。2位は世界選手権3連覇のパトリック・チャン(カナダ)で、その差はわずか3・93点。演技直前に棄権し、引退を表明したロシアの“皇帝”エフゲニー・プルシェンコが不在となり、チャンとの“直接対決”を快挙達成で弾みをつけた羽生が、日本選手団待望の金メダルを視界にとらえた。高橋大輔(27)=関大大学院=は4位、町田樹(23)=関大=は11位。運命のフリーは14日(日本時間15日未明)に行われる。
冒頭の4回転に続き、トリプルアクセル(3回転半)、後半の3回転-3回転と全てのジャンプを成功させる完璧な演技。観客席には日の丸が揺れ、プルシェンコ不在に落ち込むロシアのファンの心もつかんだ。両手を合わせて挨拶する羽生の100点満点の笑顔。得点は前人未到の100点超えでガッツポーズを見せ、場内も大喝采となった。
文字通り最高のスタートを切り、「五輪という素晴らしい舞台で100点を超える演技ができて本当にうれしい」「日本人としてこの結果は誇らしく思いたい」。それでも、思い描く演技には「まだまだ程遠い」とも。なんとも頼もしい19歳だ。
6日の団体SPで五輪デビュー。圧巻の4回転トーループを得点源に、2006年トリノ五輪王者のプルシェンコ、チャンを抑えて1位になった。そしてこの日、幼い頃から「僕のヒーロー」と憧れてきたプルシェンコが演技直前に棄権し、心待ちにしていた対決はかなわなかった。だが、もう一人のライバルで、羽生が「今季強く意識してきた」チャンを再びSPで抑えた。
ゲイリー・ムーアの「パリの散歩道」を使用曲にしたSPは2年がかりで完成させ、いまや芸術の域にまで仕上がっている。フィギュア界ではクラシックなどゆったりしたリズムの曲が好んで選ばれるが、羽生が選んだブルースロックは「音の“間”の取り方が難しく、プログラムでは敬遠されがち。それでもここまで仕上げたのは彼のメンタルの強さに他ならない」とフィギュア関係者は言う。
本人は、完璧な演技ができるかどうかは「すべてはメンタルの問題」と言い、「精神的に自分をコントロールできれば自分の能力を最大限に発揮した演技ができるはず」と解説する。この日も「初めてのオリンピックの舞台でちょっと足が震えていた」としながらも、「前向きな気持ちに心の状態が向くように心掛けた」と、自らをうまくコントロールした成果が最高得点を生んだ。
SP100点超えで、日本史上初となる男子フィギュアの金メダルを射程圏にとらえた。ただ、チャンとの差はわずか3・93点。フリーではひとつのミスが命取りになる。完璧に近い演技ができなければメダルの色はもちろん、一気に順位が落ちてしまう。
そのフリーには、SP以上に思い入れがある。2011年3月11日、地元の「アイスリンク仙台」で練習中に被災した。スケート靴をはいたまま避難所に逃げ込み、4日間生活した。
復興への思いを込めてフリーの曲に選んだのはニーノ・ロータの「ロミオとジュリエット」。この曲で日本全国のスケート場を回り、自らの練習と復興を願って演技を熟成させてきた。12年に初出場した世界選手権で銅メダルを獲得したのは、フリーの演技が評価されたからだった。
そして今季、このプログラムに、尊敬してやまないプルシェンコの得意技、ビールマンスピンを取り入れた。さらに、06年トリノ五輪で会場を魅了し、金メダルに結びつけた先輩、荒川静香のイナバウアーを、今季からカーブしながら行う“荒川バージョン”にした。
冒頭からチャンの構成にはない4回転サルコー、さらに4回転トーループと2種類を跳び、得点が1・1倍になる後半には3つの連続ジャンプを組み込む攻撃的な演技で高得点を狙う。
ノーミスで終えられれば、日本の男子フィギュアスケート界では初の10代での金メダリストが誕生する。
▽男子ショートプログラム 得 点
(1) 羽生結弦 (ANA) 101.45
(2) チャン (カナダ) 97.52
(3) フェルナンデス (スペイン) 86.98
(4) 高橋大輔 (関大大学院) 86.40
(5) リーベルス (ドイツ) 86.04
(6) ブラウン (米 国) 86.00
(7) ジュベール (フランス) 85.84
(8) 閻 涵 (中 国) 85.66
(11) 町田 樹 (関 大) 83.48
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