ゆう@子育てパパ

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自宅に父親専用の空間はありますか? 建坪の小さい狭小住宅を数多く手掛ける建築家の杉浦伝宗さん(61)は家庭円満のため、夫専用の空間「ミニ書斎」の設置を提唱する。年に一度の大掃除を機に家の使い方を見直してみてはどうだろう。(日野稚子)
◆没頭する父の後ろ姿
杉浦さんは敷地面積20坪以下の戸建て住宅を狭小住宅とし、設計した住宅を愛情込めて「ちっちゃな家」と呼ぶ。実際の建坪は10坪前後になる狭小住宅を16年ほどで約130軒手掛けた。
狭小住宅の依頼主は幼少期に自室を与えられて育った30代後半の男性が中心だが、住宅設計や選択で主導権を握るのは女性。居間中心の間取りでは台所など水回りも女性目線が生かされる。そこに子供部屋と夫婦の寝室を置くと書斎用の一室を設けるスペースはない。
「せめて男性専用スペースを作った方がいいと思い、趣味を尋ねても、思い浮かばない男性も多い。こうした人は自宅に自分の居場所がない」(杉浦さん)
著書『ミニ書斎をつくろう』(メディアファクトリー新書)で提唱するミニ書斎は、男性が自分一人で自由な時間を過ごせる拠点空間。その場で何かに没頭する後ろ姿を家族が垣間見ることになる。杉浦さんは「職場で生き生きと仕事してるかもしれないが、家族はその姿は見ないし知らない。家で楽しんでいる姿を見れば夫や父親を見直すだろうし、ストレスも解消でき、行動的にもなる」。
◆男性は「こもり感」
効能の多いミニ書斎作りに必要なのは、(1)家族の同意(2)空間の確保(3)机・椅子・書棚。1、2畳分あれば十分。誰も通らないリビングのソファの裏や夫婦の寝室、戸建て住宅なら階段下の一角、押し入れなどが候補だ。
場所を見つけたら机・椅子・書棚の配置を検討する。「女性に共感されにくいが、男性はどこかに身を潜めるようにこもる『こもり感』に居心地の良さを感じる。壁も含めて、側面、できれば三方が囲まれていれば居間など共有空間でも家族と視線が合わず、気配を感じる程度のこもり感を得られる」(杉浦さん)
ポイントは書棚の高さ。居間なら座ったときの視線が隠れ、立ち姿が見える120~150センチが目安だ。書棚が180センチ超だと部屋全体が狭く感じる。しかし、寝室なら机上の明かりが漏れにくい高さとして活用できる。
自宅内での趣味を問われて悩む父親は意外と多い。ミニ書斎作りは自分を見つめ直す良いチャンスで、杉浦さんは「楽しむ趣味ができればそれに合わせてミニ書斎も変えたい部分が出てくる。家族が育つように、自分なりの居心地の良さを探求しながら家もミニ書斎も育ててほしい」と話している。
■板材やブロックで自作も
杉浦さんは、ミニ書斎に必須の書棚や机は自作を勧める。修正や拡張も簡単にでき、既製品でありがちな欠品に振り回されることもない。
組み立て式のスチール棚もあるが、板材と塀用コンクリートブロックを使えば安く作れる。平積みしたブロックの上に板を置く。この際、家具転倒防止用の衝撃吸収ゴムを挟めば板のズレは防げる。カラーボックスは足代わりに使えば、足元収納付きの机に早変わり。活用しなければ不要なもので机や書棚などを作れば愛着も湧いてくる。
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