こういう小さな事から
相手を思いやる心が育つんだろうな。  (#^.^#)

ゆう@子育てパパ


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 何ともほほえましい光景だった。先月末、所用でマグロで有名な下北半島の大間町に行く途中の出来事。陸奥湾に面した横浜町の町立大豆田(おおまめだ)小学校前の国道279号(通称・はまなすライン)で信号待ちをしていたが、放課後帰りの同小の4、5年生らしき男女5、6人が横断歩道を渡った後立ち止まり、自分の車と対向車のドライバーに深々とお礼をして帰っていった。



 「こういう子供たちもいるんだな」。思わず目尻が下がった。以前、テレビのバラエティー番組で、岩手県の子供たちは横断歩道を渡った後にドライバーにあいさつするということが取り上げられていた。青森県では小学校入学時に横断歩道の渡り方を教える際、ドライバーにお礼をするよう指導しているということを聞いた。同小に聞いたところ、やはり新入学時の交通安全教室であいさつの指導をしているという。教頭いわく。「1年生の時に教わったことが身に付いているんだと思います」。



 日頃、取材で車を走らせていると横断歩道は関係なく、車が途切れる頃合いを見計らって渡る子供たちをよく見かける。児童数わずか39人の小規模校とはいえ、こういう何気ないことをきちんとできることに、この町の教育が行き届いているんだということを実感した。



 そういえば、横浜町では昨年2月、猛吹雪で400台以上の車が国道279号で立ち往生する出来事があり、全国ニュースでも取り上げられた。町は豪雪対策本部を設置し、学校など21カ所の避難所を開設したほか、役場に診療所の医師を待機させ、いつでも診療できる態勢を整えた。また、職員も手分けして動けなくなった車に声掛けし、避難所に誘導した。



 もっと驚いたのは住民の行動だった。自主的に炊き出しやおにぎり、飲み物などの差し入れを行ったほか、商店では自宅の居間やトイレを開放した。さらに、この状況に巻き込まれた地元の横浜中学校のスクールバスに乗っていた生徒たちに住民がラーメンを差し入れしたという。



 まさに、こうした「助け合い」の精神が心温まる対応につながったと思うと、町民の他人を思いやる意識の高さは誇るべき“財産”とも言える。住民の献身的な行動によって、一寸先も見えない吹雪で命の危険さえ感じていた多くのドライバーたちに何物にも変えがたい元気を与えたのではないかと思う。



 子供たちのさりげない振る舞いと助け合いの精神が根付いている住民。寒さが厳しい小さな町の心温まる光景、出来事に心が洗われた気がする。(福田徳行)