ゆう@子育てパパ

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■厳しいけど「新しいチャンス」
大阪の代表的な食文化“コナモン”が、試練の冬を迎えそうだ。原料高や円安を背景に、農林水産省は10月から輸入小麦の政府売り渡し価格を主要5銘柄の平均で4・1%引き上げ、1トン当たり5万7260円にすると発表。製粉大手関係者は「小麦粉や関連製品の値上げは避けられない」としている。大阪のたこ焼き店からは「たこ焼き1個分原価が上がる」との悲鳴も。「安くてうまい」たこ焼きは高級メニューになってしまうのか…。(木村さやか)
◆じわじわ上昇…
輸入小麦の値上げは、昨年10月の価格改定から3回連続。昨年10月に3%、今年4月には9・7%それぞれ引き上げられた。日清フーズは家庭用小麦粉を7月出荷分から約2~7%値上げ。政府から直接小麦を買い入れる製粉会社も「販売価格への反映を検討する」(日清グループ)という。
価格改定は年明け前後と見込まれる。消費税増税を控えた微妙な時期になりそうなことから、小麦を原料とする食品メーカーや外食大手は、「商品数を絞り込む」「分量などの規格を見直す」と、価格転嫁をできるだけ避けるよう苦慮している。
◆価格は据え置き
コナモンの本場・大阪では、小麦粉の価格上昇は深刻な問題だ。お好み焼きチェーン「千房」(大阪市)は、「原価で1人前当たり1円分上がる」と分析。だが「値段が上がればお客さんは減る」と、「企業努力」で乗り切る構えだ。
うどんチェーンの「グルメ杵屋」(大阪市)も「ここ数年、小麦粉が値上がりしても、連動して値上げしたことは一度もない」と、値上げは検討していない。大阪を中心にたこ焼き店「たこ焼道楽 わなか」を展開する「和なか」(大阪市)は、「業務用の小麦価格の実際の値上げは早くても春頃になるのでは」と分析し、こちらも据え置く方向だ。
◆具増量で倍返し
一方、あべのハルカス近くに本店を構えるたこ焼きチェーン「あべのたこやき やまちゃん」は、今年のGW明けからたこ焼きの価格を8個入り350円から400円に値上げしたばかりで、「卵以外は原価が全部上がっている。今度の値上げも痛すぎる」とため息。「何とか消費税増税まではふんばりたいけど、小麦価格の値上げでたこ焼き1個分は原価が上がってしまう」と嘆いた。
新メニューで売り上げ増を図る店もある。「たこ家道頓堀くくる」(白ハト食品工業、大阪府守口市)は8月31日から人気ドラマ「半沢直樹」にあやかり、道頓堀本店限定でたこ、ネギ、天かすが倍入った「道頓堀倍返し!たこ焼き」の販売を開始。8個850円と通常のたこ焼きより330円も高いが、売り上げは順調で、「小麦粉が上がったから値上げ、というわけにはいかない。メニュー改良などで対応したい」とする。
厳しい台所事情を抱えながら対応を迫られる大阪のコナモン業界。日本コナモン協会の熊谷真菜会長は「原材料価格の高騰は世界的な流れで、何ともしがたい。だが、大変なときだからこそ新しいチャンスととらえてほしい」と話している。
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