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女性の社会復帰を後押ししようと、安倍首相が示した「育児休業3年」の方針。現行制度では、最長1年6カ月が法律で定められているが、すでに「3年」を制度として運用する職場は少なくない。実現に当たっては、社員が職場を長期離脱した後のフォロー体制をどう構築するかなども課題となる。
厚労省によると、子供が3歳になるまでの育児休業制度がある企業は、平成22年度の9・1%から、23年度には14・3%と、ここ数年、増加している。
佐川急便を傘下に持つ「SGホールディングス」は昨年度から延長を決めた企業の一つ。7万人のグループ従業員のうち1万5千人が女性で、26年度までにグループ収益の3割を「女性が稼ぐ」との計画を掲げた。だが、「出産後に復帰したくても『子供を預ける場所が見つからない』という切実な声があった」と同社人材開発・ダイバーシティ推進ユニットの兵藤美穂チーフ(35)。育休の延長は、子供を保育所に預ける家庭にとって、仕事と家庭の両立を図る策になっている。
東京都世田谷区の中学教諭、鈴木ゆかりさん(38)は現在、3年間の育休を取得中だ。「娘は1歳を過ぎたころから言葉をしゃべり始めた。1年で復帰していたら、子供の変化を十分にみられなかった」と語る。「戻る職場があれば3年間は精いっぱい子育てを楽しもうと思える」とメリットを語る一方で、「職種によっては、3年間のブランクが復帰の障害になるのでは」と話す。
昭和女子大の小原奈津子副学長(58)は「実際に、休業明けは部署異動などキャリアダウンにつながってしまうケースもある」とし、「休んだ後でもすぐに業務になじめ、キャリアを積んでいける企業側のサポート体制が欠かせない」と指摘している。
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