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タカラトミーは2013年3月18日、特定非営利法人東京学芸大こども未来研究所との共同研究プロジェクトの仮説検証結果の最終調査報告を発表した。リカちゃん人形などでの「ごっこ遊び」が、子どもの協調性、社会性を育むという。共同研究は、「リカちゃん」人形による「ごっこ遊び」の子どもの発達への影響や効果を調べるもので、3つの仮説を立て、その仮説が成立するかどうかを検証した。(写真は、リカちゃんファミリー。(C)TOMY)
「ごっこ遊び」の効果に対する3つの仮説は、(1)自己認識・他社認識能力の獲得、(2)他社との関係性構築能力・社会性の獲得、(3)なりたい自分像・将来像の獲得――。定量調査として、東京・兵庫・福岡在住の小学生女子354名、中学生女子274名に対し、学校での調査票配布による自記入式アンケートを実施した。調査期間は、2012年2月-9月。
この調査から明らかになったことについて、共同研究プロジェクト「リカちゃん ごっこ遊びラボ」所長の松田恵示氏(東京学芸大学 芸術・スポーツ科学系教授)は、以下の点などが明らかになった総括している。
・リカちゃんで遊んだ経験は、中学生より小学生に成長への影響が多く見られる。
・リカちゃんで遊んだ経験のある子どもは、理想像や将来への肯定観を獲得しやすい。
・経験の有無からだけでは、「自我・他我認識」「社会性」の獲得に、リカちゃん人形遊びが影響を与えているとは言えない。しかし、遊び方を広げた経験を持てば、「自我・他我認識」「社会性」を獲得しやすい。
・リカちゃんを含めた、多様な人形遊び経験を持つ子どもは、「自我・他我認識」「社会性」「理想像」を獲得しやすい。
・「リカちゃんを持っていた」ことは、ただ遊んだ経験がある以上に、対他意識の獲得につながりやすい。
・リカちゃん人形で遊ぶことは、人形に自分を同一化して演じることを通じて、自己を客観視する傾向にある。
その上で、3つの仮説のうち、(3)については「検証された」と結論。また、(1)と(2)については、「部分的に、そして、複数の人形や多種類の人形で遊ぶなど、遊び方がより契機となって効果が現れるであろう」ということが明らかになったとした。
そして、松田氏は、「ごっこ遊びにみられる『演じる』という遊びは、本来、社会生活においては、それなしに人間関係を構築できない重要な行為である。人形遊びを通して、自発的に子どもたちが『演じる』ことに触れ、創意工夫をこらし、夢中になって楽しむことが、こうした『演じる』という人間関係や、そこから生じる『確かな自分』というものを主体的に形成していくことにつながる。このような子どもの『遊び』を十分に楽しめる環境を整えることは、一方で社会全体が支えるべき大きな課題となっているといってもよい」と締めくくっている。(編集担当:富田誠也)
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