困っている人を助けたい想いで、
たゆまない努力を続けているんですね。  (#^.^#)    ゆう@子育てパパ



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 妊娠や出産、加齢などによって起こる軽い尿もれは、40代以上の女性であれば3人に1人以上が経験しているといわれる。しかし、その対処法としては、生理用ナプキンで代替している人が多いのが現実だ。ユニ・チャームが紙おむつのノウハウを活用して開発した「チャームナップ」の開発チームは、女性の「声なき声」に耳を傾け、悩み解決に一役買っている。



 「お客さまの顔が見えない。それが開発チームが抱える悩みだった」。グローバル開発本部商品開発部の田中良和シニアマネージャーは約20年前に、チャームナップの初代製品を開発したときの苦労を今でも忘れることができない。軽い尿もれの悩みを抱える女性はたくさんいると聞いていたが、ユニ・チャームのマーケティング部や調査を依頼した専門業者にも、その悩みの詳細を把握することはできなかった。



 商品開発のヒントを聞くグループインタビューを開いても、恥ずかしくて、尿もれの経験を明らかにできない人が多い上、「自分が尿もれをしているという事実を、信じたくない人もたくさんいた」からだ。消費者のニーズを正確に把握することなく、商品開発に乗り出すのは無謀なことだった。それでも、「ニーズがあることは間違いない」(田中氏)と信じて、ニーズを想像しながら商品開発を進めていくしかなかった。



 大きなリスクを冒すことができないため、多額の資金を投資することはできない。女性たちが代替品として使っていた生理用ナプキンと似た形状にしたうえ、15cc用の軽失禁専用吸収ポリマーシートを搭載し、1997年に商品化に踏み切った。ところが、田中氏らが見えないのは「お客さま」だけではなかった。投資に見合った収益が得られるかという「事業性」の先行きについても、手探りの状態が続いた。それでも、99年に100cc用の商品を発売したのをはじめ、2005年まで毎年のように新商品を出し続けた。



 開発チームは、商品力の向上のためたゆまない努力を続ける。なかでも、商品競争力の源泉となっている吸収力向上のために試行錯誤を繰り返した。商品の特徴は、尿を素早く吸収するために、パッドの中に「ドライポリマー」という細かい粒を配合していることだ。この「ドライポリマー」は、水分を吸うと、瞬く間に固まって水分をパッドの中に閉じ込める。尿のニオイの元となるアンモニアガスのニオイを閉じ込めることを狙ったもので、消臭剤ゼオライトがニオイの元をキャッチする仕組みだ。「いつまでもサラッとした感覚が長持ちするドライ性は負けない」と、田中氏は胸を張る。



 マーケティング部門も、開発部門が抱える苦労を共有している。05年ごろから、商品のネーミングに、「失禁」などストレートな言葉を使わず、「吸水」と名付け、女性の抵抗感をおさえる工夫に力を入れ始めた。販売ルートも、それまでメーンだった介護用品売り場の他に、生理用品や赤ちゃん用品売り場などにも配置し、「女性が手に取りやすい状況」(マーケティング担当者)に気を配った。ユニ・チャームは、いち早く軽失禁用品市場の開拓に本格的に乗り出し、業界シェアは3分の1を超す圧倒的な占有率を誇っている。開拓した顧客のニーズを商品にフィードバックし、商品力を一段と高めている。



 ただ、多様化するニーズにどう対応するかが今後の課題だ。30~80代とユーザーの年齢層は広く、あったらうれしい機能もさまざまだからだ。しかも、消費者のほうから、商品に対する要求をするケースは少なく、田中氏は「開発者がニーズをくみ取って、深掘りしなければならない」という。女性泌尿器科元患者らが、女性の尿もれに関する認識を広く一般に深め、尿もれや骨盤臓器脱で悩んでいる女性が「ゼロ」になることを目的として、2月20日が「尿もれ克服の日」として制定された。



 寒さや花粉症の季節は尿もれに“大敵”とされる。マーケティング担当者は「チャームナップを愛用していただくのはもちろん、谷英子さんが考案した骨盤底筋を鍛えるトレーニングなどを生活習慣にして、体力促進や尿もれ予防に役立てて欲しい」と話す。



 ■チャームナップシリーズ



 尿の特性を十分に考えて作られた軽い尿漏れの専用品。ナプキン感覚で使えるのに、水分をしっかり吸収し、サラサラとした感覚が続くのが特徴。「おりもの」「経血」「尿」は成分・粘度ともにすべて異なるため、ユニ・チャームは、それぞれの特徴に適した専用品でケアすることを勧めている。「チャームナップ吸水さらフィ パンティライナー 3cc 40枚」の希望小売価格が315円など。