来週12月16日 投票日。 投票に行きましょうね。(o ̄∇ ̄)/


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 「あまりにも政党が多すぎたり、名前がすぐに変わったりして、もう覚えられんけん」



 自民党の安倍晋三総裁の街頭演説取材で訪れた愛媛・松山市。移動で利用したタクシー運転手はいくつか政党名を思い出したが、7つぐらいで詰まった。「あと何でしたっけな、ハハハ」



 過去最大の12政党が名乗りを上げ、民主党政権の総括に審判を下す衆院選は16日の投開票まで1週間。ちょうど折り返しの週末を迎えたが、国民の政治不信はどうも頂点に達しつつあり、「どこの党に投票しても…」という虚無感が拡散しているように感じる。



 その一因がかつて一世を風靡したマニフェストの不人気ぶりだろう。衆院選公約タイトルから「マニフェスト」が消え、“死語”になりつつある。前回衆院選では政策本位の選挙を象徴するキーワードとして注目され、平成15年の流行語大賞に選ばれたが、「マニフェスト違反」を繰り返した民主党の失政によって、マニフェストへの信頼度は格段に落ちたからだ。



 前回衆院選の公約で民主、社民など5党がマニフェストを採用した。ところが、今回の衆院選でマニフェストを明確に使用しているのは民主党と新党日本だけ。野田佳彦首相は「マニフェスト実現に苦労したから、もうやめるということはしない」と説明している。



 一方、自民党は今回から「重点政策」に。安倍氏は公約を発表した11月21日の記者会見で、マニフェストという言葉を使わないことを宣言した。その後も街頭演説などで、早期の衆院解散になかなか応じなかった野田佳彦首相の「近いうち」、米軍普天間飛行場移設問題で飛び出した鳩山由紀夫元首相の「トラスト・ミー」も含めて「三つの言葉は使えなくなった」と切り捨てる。



 社民党も「『うそつき』と同義語になりつつある」(福島瑞穂党首)として「選挙公約」に衣替えした。公明党は「重点政策」を前面に打ち出し、マニフェストを薄い文字で表記する苦心ぶりがうかがえる。



 第三極の日本維新の会は「骨太」、みんなの党は「アジェンダ」、日本未来の党も「未来への約束」-などと各党各様、独自の表現で公約を掲げている。



 ただ、マニフェストの消滅に伴い、数値目標や工程表も各党の公約から影を潜め、特に原発存続の是非をめぐっては各党の公約に開きがあるものの、具体的な道筋は描かれていない。



 進捗度を検証するには具体性が不可欠だけに、政策本位の選挙が後退しかねないとの懸念もあるが、数値目標や工程表を明記すれば、公約に縛られてしまいかねず、民主党の二の舞になるとの事情も透ける。



 そもそもマニフェストによる政策本位の選挙戦は日本に根付くのかという素朴な疑問ものぞく。「なかなか定着するのは難しい。その党のイメージや候補者の人柄、好きか嫌いで選んでしまう要素が多い」と永田町関係者。それでも、どのような政策を掲げ、それを実行する政治力が備わっているのかどうか。政策実現力を吟味するのに、残された時間はわずかしかない。(岡田浩明)