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30代にしておきたい17のこと:
20代は「自分の可能性を信じられる時代」だ。「こんなことができるはず」といったイメージがあって、それに向かって進んでいけた人も多かっただろう。では、30代はどんな時代なのだろうか。
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●人生の時間は有限!
20代は、純粋に自分の可能性を信じられる時代です。「こんなことができるんじゃないか」というようなイメージがあって、それに向かって進んでいけた人も多かったでしょう。それが、「ちょっと無理かもしれない」という感覚が芽生えてくるのが30代です。
実際、やりたいことをやっているように見える人でも、30代になると、「やりたいことをすべてやる時間はないな」と感じはじめます。もしかしたら、自分のやりたいことができている人ほど、その感覚は強いかもしれません。
例えば、ビジネスで成功している人が、アートの世界に興味を持ったりもするでしょう。スポーツもやりたいかもしれない。宗教的なことにも関わりたいと思うかもしれない。古代遺跡をまわるというのも面白そうです。
翻訳本で『死ぬまでに一度は行きたい世界の1000ヵ所』(イースト・プレス刊)という本がありますが、例えば20代でそれを読んだら、どこにでも行けるし、何でもできそうな気持ちになったと思います。「いつか全部行ってみせるぞ!」と考える人もいるでしょう。
けれども30代になると、夢や希望はぐっと現実的になり、「1年に1回海外旅行にいければラッキー」というふうになります。
自分の収入や体力、趣味嗜好などを考えてみると、やりたいことを全部やっていこうとしたら、十分な時間はないということに気づくわけです。そうした「限界があること」を体感できるようになるのが30代です。
例えば素敵な人にめぐり会ったとしても、全員と結婚できるわけではないでしょう。いまの日本の制度や文化では、いろいろ面倒なことが出てきます。
子どもを持つことでも、人によっては5人欲しいという人がいるかもしれない。でも、自分の年齢とパートナーの年齢を考えたら、これから5人の子どもを持つのは難しいという現実があったりするわけです。
欲しいと思うもの、実現したいと思うものが、「もう手に入らないんだ」という事実に直面しなくてはいけない。それが30代なのです。
逆にいえば、何が手に入るのかを計算できるのも30代です。
これが40代になると、もう手に入らないものばかりが目についてきて、例えば、「こんな豪邸は手に入れられない」「海外に住むなんて、ちょっと難しそう。言葉も話せないし」「外車は買えない」などと現実的になります。
でも、30代なら、いまから海外に行って、自分のビジネスを起こすこともできるし、アーティストになることもできるのです。20代の頃から夢見ていた人生を実現することも、30代では可能です。
その意味で30代は、人生を劇的に変えられる最後の10年といえます。
●人生の90%は 30代で決まる
60歳以上の成功者をインタビューしてきて、その多くの人たちが「人生の基盤づくりのもっとも大切な10年が、30代だった」と語ることに気づきました。
20代でいろいろな体験をしたうえで、パートナー、仕事、住居と、人生でもっとも大切な3つを選ぶのが30代です。
パートナーや仕事を何度もチェンジしていては、そのたびにまた最初からやり直しになります。それではいつまでたっても、人生は積み上がっていきません。
30代にどんなパートナー、ライフワークを選び、どんな人とつき合うかが、残りの人生の幸せ度、豊かさ度を決めるといってもいいでしょう。
40歳までに独立しない人、結婚しない人は、その後の人生で独立したり、結婚したりすることは、なかなかないでしょう。40歳までに子どもを持たない人は、それ以降に子どもを持つ可能性は低いものです。
40歳までに親友を持てない人は、たぶん一生親友を持つことはないでしょう。40歳までにお金に恵まれない人は、一生そのままの確率が大です。
自分の人生を変えられるのは30代まで――そう考えておくことです。
もちろん、40代になって人生が変わる人もいます。人生を変えるフットワークが軽い人は、60歳を越えても変わっていきます。
でも、それまで何も考えてこなかった人が、いきなり変わろうと思っても難しいものがあります。
人生の90%は30代で決まります。30代で感じたこと、決めたこと、行動したことが、残りの人生をつくります。
だからこそ、変わるなら30代のうちだと私はいいたいのです。
●命の誕生を見守り、見送る
30代に多くの人が、結婚、出産、転職などの人生の大イベントをこなします。そういう個人的なドラマだけでも、十分に感情的に大きな揺れを感じることが多いのですが、同じ時期に、祖父母、両親、叔父、叔母が亡くなりはじめます。自分の子どもが誕生する一方で、亡くなっていく人がいます。
そういう意味で、命の誕生を見守り、命を見送るのが30代です。親しかった人、愛していた人がいなくなり、新しい家族を迎えます。こうした慌ただしい人生の交代劇が、この10年のあいだに起きるのです。10年前のお正月には、元々の家族しかいなかったのに、いまは年配の家族が何人か減り、新しく生まれた家族が食卓を囲んでいたりします。
家族だけでなく、お世話になった小学校や習い事の先生が亡くなったり、場合によっては、学生時代の友人が、病気や事故で亡くなったりすることもあるかもしれません。友人の出産祝いも毎月のようにあるかもしれませんし、とにかく、命にまつわるドラマがあるのが、30代なのです。
つき合う人も、20代とはがらっと変わります。特に女性は、子育てを始めると、まったく違うアイデンティティで生きなくてはならなくなります。
私も育児セミリタイヤ生活を4年間やったので、よく分かります。
妻が、美容院に行くという昼下がりの午後、ベビーカーを押して一人で公園をグルグルまわりながら、「僕は、何でこんなことをしているんだろう?」と不思議に感じたことが何度もありました。
女性で、バリバリ仕事をしてきた人は、そのギャップに相当戸惑うのではないかと思います。新しい命を迎える喜び、幸せに比べたら、それぐらい気にはならないかもしれませんが、あまりの変化に、慣れるのに多少の時間は必要でしょう。
●30代で起業した人は 成功しやすい
仕事や収入が大きく変わるのも、30代です。20代のうちは、同級生と会っても、年収はそんなに変わらないし、役職もないので、たいした差は感じません。しかし、30代になると、年収も何倍もの開きが出て、役職につく人もいれば、いまだにうだつが上がらないままの人もいます。また、起業したり転職したりという機会に恵まれるのも30代です。
私が知っている範囲でいえば、30代に起業した人たちがいちばん成功しやすいように思います。40代だと少し遅すぎるし、20代は少し早すぎる。起業するなら30代、結婚も、20代でするよりも30代でするほうがうまくいきやすいようです。
●自由が少しずつ 奪われていく30代
30代は、ある意味では受難の時代ともいえます。なぜなら、決めていく必要のあることは、実にたくさんあり、ストレスがいっぱいだからです。
パートナー、仕事、住居を見つけるなどの個人的なことだけでなく、介護などで親の面倒を見なければならなくなる人もいるでしょう。
お金も稼がなければならない。
パートナーや家族のニーズに応えなければならない。
自分だってどう生きたらよいかよく分からないし、遊ぶ時間も欲しい。キャリアも、方向性も中途半端だし、昔夢見た留学も、このままいけば、なんとなく夢のままになりそうな感じ……。
そういうときに、子どもができて、生まれたりします。もちろん、それは人生最高の喜びでもあるはずですが、パートナーが手伝ってくれない、自分を見てくれないというような不満を感じるようにもなります。職場でも家庭でも、自分のことを理解してもらえない、自分の時間が持てない、好きなことができない……10代、20代の自由さが一瞬にして萎むのが30代なのです。
20代の頃、時間とお金がないと感じたことも多かったでしょうが、30代は、その両方ともの自由がなくなります。子どもがいて、夫婦共働きで、自分の両親のどちらかが病気がちだったりしたら、1日に数分の時間でさえ、ゆっくりすることはないかもしれません。お金も、独身のときには自由に使えていたのに、30代になったら全然使えなくなります。大学時代のほうがお金持ちだったと自嘲気味に語る30代の人も多いのです。
シングルの人も、両親との関係で、感情的に相当揺さぶられることでしょう。油断すると、仕事、家族などに振り回されて、よく分からないうちに、慌ただしく過ぎていくのが、30代なのです。
(次回は「お金と真剣に向き合う」について)
[本田健,Business Media 誠]
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