Goblin
スリルっぽい。ベースの音がですね、気持ちいいです。ドラムの軽快さと相まって余計に。
そういや、まともに今井さんがギターソロ弾いてます。
一番気になるのがサンプリングなんですが、その音で緩急がくっきり分かります。
なかなか踊れそうな曲です。いや、詞の通り酒呑んで馬鹿騒ぎしたくなります。
特にサビで。
この曲で、やっと今井さんのコーラスが聞こえるんですが、やっぱりどこから出ているのか分かりません。
摩訶不思議な声で「オーゥィェッアー」(難しいな、文字にするの)のコーラス。気が抜けて好きです。
あと、櫻井さんの低音コーラスがほぼ全編に渡って聴けるんですが、素敵です。
歌詞に進みましょうか。
初めは今井さんが書いたんだと思っていました。
でも、櫻井さんだった…。
支離滅裂な様でそうでない、ハイテンションな歌詞でございます。
さて、タイトルの「Goblin」。確か妖精…じゃなくて子鬼だったんかな?調べてみます。
ゴブリン(goblin)
ヨーロッパの民間伝承やその流れを汲むフィクション(主としてファンタジー)に登場する伝説の生物である。
以下のような様々なイメージで捉えられている。
ゴブリンとは、邪悪な、または悪意をもった精霊である。
ゴブリンとは、おふざけが好きで意地の悪い(だが邪悪とは限らない)妖精である。
ゴブリンとは、ぞっとするような醜い幽霊である。
ゴブリンとは、ノームまたはドワーフのこと(またはその一種)である。
従って、伝承や作品によってその描写は大きく異なるが、一般に醜く邪悪な小人として描かれることが多い。
また、ドイツのコボルトは、上記のゴブリンのイメージに重なる事もあり、英文ではしばしば「ゴブリン」と訳される。

なおホブゴブリンは、密かに家事を手伝う善良な妖精というのが伝承での姿だが、後世のフィクションではゴブリンに似たもっと大型の生物と設定されていることが多い。
さてさて。
この曲、お酒の名前が羅列されております。
ウォッカ、テキーラ、日本酒。
なんで日本酒なんですか。
櫻井さんのイメージとして(何でも飲んでそうなんですが)「ワインと焼酎」が良いと思ったんですが。
しかも、「Japanese SAKE」です。そのまんまです。
ここに、日本人としての心意気を感じます。
酒を羅列する所、hideさんの「DOD」を思い起こさせますね。
日本酒、バーボン、ビールにアブサン、焼酎、どぶろく、テキーラなんでもこい。
こっちの方が上手でした、(そんな事書くな)
テーマとしては、「お酒呑んでハイになってきたぜ」ってことでしょうか。
Bメロが三回続きます。
この中に、対が5つ出て来ます。
悪魔と天使
淑女と紳士
ユダとキリスト
王と女王
アダムとイヴ
もう、全部踊れば良いじゃんみたいな。
この曲から、世界平和への道を想像してみる事にします。
あ、そうそう。この書き方が好きです。
 Strippppper!
えらい気合いを感じます。歌い方も気合入ってましたしね。


ALIVE
まず初めに。
この曲、浮いてませんか?なんで入れたんでしょうか?
好きな曲ですが、このアルバムでは一番ロックバンドな曲ですよ。
「ゴシック」とは真逆な気がします。
でも、曲の間に聞こえる「シャラーン」と言う音。
この後の「月蝕」「Passion」でも似たような音(そちらはもっと宗教がかってますが)がしてますよね。
そして、間奏後のシンセの音。その辺がゴシックっぽい…のかな?
間奏後が凄く好きなんですよね。
結構、櫻井さん高音で歌ってますよね。サビとか。
あ、そういえば、二回目の「歩けるだろう」(歌)の直後に来る「歩けるだろう」(セリフ…?)はびっくりしました。
これを言っているのは櫻井さんですが(今井さんではないですよね)、自分に言い聞かせるみたいな気持ちの込め方で呟いているように聞こえました。
では、歌詞を見てみましょうか。
この曲。後に発表されるある単語が歌詞に含まれています。
Rendezvous」です。もちろん、櫻井さんがそれを意図してこの言葉を使用したなんて事は言いません。
でも、不思議な感じです。
あちらでは「感謝」の気持ちがたくさん詰まってますけれど、こちらでは死神付きですからね。
ただ、感じるのは「死神」と一緒だから悲観しているわけでは無いって事です。
 お前と一緒ならゾクゾクするぜ
っていうのも、常に、生きている存在には「死」が付き纏うけれど、「死」が付き纏うおかげで生きていく事が出来る。
言い換えれば、「死神」と「俺」の「生きるか死ぬか」の駆け引きを楽しんでいる。
その事を、「お前と一緒ならゾクゾクするぜ」という歌詞に集約させているのではないかな?と思いました。
「迷い子なら~」の歌詞。両方とも好きです。
突き放している様で、ちらほら優しさとか愛しさとかが見えてしまいます。
以前から櫻井さんは、頻繁に「孤独」や「一人」を連想させる歌詞(もしくはそのまま)を書いていらっしゃいました。
特に「生と死」を描く時、それが顕著に表れる様に思います。
思えば、人は一人で生きていく事が出来ませんが、結局「個」としては一人なんですよね。
生まれる前は母に守られていても、生まれた後は、「個」として一人。
自分と同じ存在なんてこの世には存在しませんし、双子ですら、同じ顔形と思考回路を有していても、結局は別の存在だと思うんですよね。
もちろん、死ぬ時も、看取ってくれる人はいても、死ぬのは一人だけですよね。
嫌な話ですが、たとえ一緒に死んだとしても同時に死ねるわけではないですもんね。
そんな事をつらつら考えてしまいます。
そういえば、歌詞を読んでいて思った事なんですが、この詞に興味を持ちました。
 殺られちまう前に ブッちぎってやるさ
前は、「死」というものを前にして、迷ってみたり逃げてみたりしている歌詞を多く見ました。
でも、今はそれすら「ブッちぎってやる」と宣言(?)出来る。
強さを感じました。ヤケクソとかじゃなくて。
そんな、一人の人間として生きて死ぬ事を何度も見据えた先に見えた答え。
それがこの歌詞なんだろうなと思うし、櫻井さん自身や聴いている私達に対して言い(聞かせ)たい事なんだろうなって思うんです。
だから、後半の「歩けるだろう」の所にだけ何がしかの感情が込められた台詞が入っているんだろうな…と一人で暴走してみたりしてます。
おっと。忘れていました。
サビの「傷を付けてやる」と「刻み付けてやる」も、「俺」が生きているという事の「証」を「傷」と言ってたりするんじゃないかと考えてます。
最初、歌詞をあんまり見てなかった時は、「傷を付けてやろう」っていう怖い言葉に聞こえたんですが。
聞き間違えてました。
で、浮いている答えを歌詞に見つけたというおこがましい話。
アルバム全体を通して、唯一、「生きる」事を明確に見据えた曲だったんです、私の中で。
「生きる」事に対する「希望」。
このアルバムの根底に流れているであろう「死」や「絶望」「異形」…。
もっと言えば、浮世離れした歌詞が多い中でこの曲だけが生々しかったから、「浮いている」と感じたんです。


月蝕
来たよ!どんどこ!
原始的な匂いのする曲ですね。
星野さんのアルペジオの音が好きです。これ、サンプリングじゃないですよね?
この曲は今井さん作曲ですが、やっぱり「緩急」「静動」が半端ない。
間奏部分の静けさとか、無意味にドキドキします。
この曲の背後で、鈴っぽい音がしていまして。
なんですかね。あれの音。神社で巫女さん達が神楽やってる時に鳴らす、鈴がいっぱいついてるアレ…。
神楽鈴、もしくは鉾鈴っていうらしいです。
この神楽鈴。
輪が3つ付けられ、上から3個、5個、7個の鈴が付けられていて、稲穂を模したものであり、五穀豊穣の祈願の意味があるそうです。
どちらの鈴にも柄の端には5尺~6尺の五色の鈴緒が付けられるんだとか。
ああ。この曲、生贄の儀式っぽい(歌詞もそうなんですが)からなあ。
それを考えての鈴の音なら凄いなとしか言いようがないです。
サビの部分の「あーあああああー」が、儀式の歌みたいですよ。
この詞。表現が凄いなと思ったのが「月蝕」という言葉無しに「月蝕」を表現しているこの歌詞。
 闇となり 月喰らう
この詞は…じつは意味が分からないんですよ。
「儀式」なんだろうなとは思うのですが。
「人外の血」を、異形の血ととるか人以外の、例えば獣の血ととるか。
そもそも、この曲は「贄」の視点の曲なんですよね?
「茨」が食い込むとか書かれてあると、どうもイエスを思い出すんですけれど。
そして、この曲のタイトルにもなる「月蝕」。
「贄」は「闇」になって「月」を「喰らう」んですけど。
これ。現実世界の「月」を「喰らう」のか、それとも「月」は何かの象徴なのか。
自らを「贄」とする。
自らの「欲望」のために。
…わからないよう。
もっと聞き込んだ方がいいかな。