2003年2月13日 BMGファンハウスよりリリース


前作「極東 I LOVE YOU」の発売が2002年3月6日。
今作が2003年2月13日。
1年も経ってません!すごい!
前作でもちらりと書いたのですが、当初2枚組にする予定だったとか。
だからなのかしら?
「極東~」と今作。
ベクトルは一緒でございます。
ただ、今作は今井さん色が大変強いです。
しかも、今作でついに、今井さんがメインボーカル(櫻井さんのコーラス付き)を担当する曲が現れました。
凄い事です。かなり驚きます。
また、今作中5曲が今井さん作詞となっています。
この中にも、生きにくくなった世の中、世界に対する怒りがこれでもかと入り込んでいるいるのですが、今井さんが作詞を手がけた曲が結構あるからなのか、かなりシニカル(しかし強烈)な詞が多いです。
そして、前作を「青い炎」と例えましたが、今作は「赤い炎」です。
この時代。色々な怒り、憎しみ、そして悲しみに溢れていました。
そんな中生まれた「Mona Lisa OVERDRIVE」についての感想を書かせて下さい。


ナカユビ
前作「極東 I LOVE YOU」の最後のインストゥルナンバー「Continue」を土台とした、かなり激しい曲です。
テンポが速い速い。
ここまでバスドラドコドコの曲って…「地下室のメロディー」以来?(違っていたらごめんなさい)
しかも、今までにないくらいスピーディーです。
ヤガミさん。さぞかし大変だったと思います。
詞について。
ヒップホップとかロックとか聴いていると、結構頻繁に出てくる単語がありますよね?
「Fuck」
これです。(書いて良かったのか?)
この単語の後に色々タンゴをくっつけて、意味を成させるわけですが…。
え~。
分かった分だけ。
「しくじる」
「失せろ」
「クソ野郎」
「もう我慢ならねえ」
で、訳してみたら、かなりお怒りのご様子。
自分自身、そして、取り巻く全ての存在に対して「ナカユビ」を突き立てろ。
そんな意味だったんですね。
全然関係ない、いきなりのソラミミアワーで申し訳ございません。
 SO FUCK IT
ここ、今井さんが言ってるんですが、私にはどうしても、
「猪八戒」
に聞こえてなりません。
この曲の一番好きな所。
間奏後の「Fuck up!」の辺りが凄い好きです。


BUSTER
ロックです。リズムがタイトです。
初めにドラム、次にベースとギターが入るんですが、この流れが好きです。
これは、ある外国(複数です。大国、閉鎖された社会主義国など)に対する皮肉を歌っているという事ですが。
歌詞を見れば、自ずと見えて来ますね。
踏み潰す「破壊者」
食い潰す「捕食者」
穴を掘る「掘削者」
さて、彼らに共通する言葉は?
悪性遺伝子病
だそうです。
この「悪性遺伝子病」っていうのは、あれですか?
「他者を『暴力』で支配したがる遺伝子病」って事で良いのでしょうか?
以前よく口ずさむ歌詞にも書いたのですが、この詞が好きです。
深い暗い巨大な穴 そろそろ気が付く頃だ
 深い暗い巨大な穴 お前の墓の穴だ Bingo!
この「穴」というのは、地下核実験場(言葉おかしくないか?)だと思うんですが。
それが、本当の「墓穴」になる前に止められたのでしょうか?
答えは、「No」です。


残骸-shape2-
シングルカットされた曲です。
たしか「たけしのTVタックル」のEDで流れてませんでしたか?
この曲の、リフが。ギターのリフが。
最高にカッコいいんですよ!しかもユニゾンですよ!
歌詞については…書いた方が良いんですかね?
この曲も、おそらく「‏GIRL」も同時多発テロの事を書いていると思ったんですよ。
それだけには留まらないのでしょうけれど。
この曲と、カップリングにもなった「GIRL」は「対」の曲だそうで。
この曲は櫻井さん、「GIRL」は今井さん作詞です。
まず、この曲の主人公は「明日が来ることを」「夢見ない」と言っているんですが、今を一生懸命生きるっていう決意の表れだと超ポジティブ解釈してみます。
対する「お前」は「鎮魂歌」である「雨」に「撃たれ」ても「明日が来ることを」「夢見」ています。
「お前」とは、「GIRL」の主人公なんじゃないのかなと、ここで妙な解釈をしてみます。
ちなみに。
この曲のPVの櫻井さんは、なんかエロティカルです。


LIMBO
踊れそうだ。クラブでかかっていたら、確実に踊りますね。
結構気持ち良くトベそうな。
ただ、これが櫻井さんにかかるとエアロビのなるのがなんとも…。
この「LIMBO」の意味。
リンボーダンスと、あといくつか種類があります。
中間、不安定、拘留所(?!)、天国と地獄との間で洗礼を受けていない人の霊が集まる所。
歌詞の中に、BUCK-TICKファンの皆様がにやりとする所が何箇所か出て来ますね。
私もにやりとしましたよ。


Mona Lisa
ラップ。
今井さんが。ラップ。
これ初めて聴いた時はすごい驚きました。
こんな事にも挑戦するのか、今井さん!てな具合で。
ギターのフレーズが印象的です。けだるそうな。そんな感じがするのに、サビの所で爆音でギター襲来。
この相対する感じが好きです。
最初は、櫻井さんと今井さんの共作かなって思ってたんです。
ラップは今井さん。
「凍りつきそうなんだ」からサビの所が櫻井さんっていう風に。
違っていたのか…。
むしろ、最初からパートが分かれる事を前提として今井さんがこの詞を書いたとしたなら、よく考えたな~と思います。
櫻井さんが、前半のラップ部分も担っていたとしたら、それはそれで面白そうなんですが。
さて、昨日の日記でも書いたんですが、「Kraus」って何?
「Kraus」の後に、「Hyper opera voice song」と続くので、人だろうというのは分かりました。
というわけで、調べました。
「クラウス」の名を、姓名どちらかでお持ちの音楽家さん。
クラウス・ノミ(Klaus Nomi, 1944年1月24日 - 1983年8月6日)は、ドイツバイエルン州immenstadt(インメンシュタット)出身の歌手/パフォーマー。
そのスタイルはオペラ、ニューウェーブ、ディスコ、ダンスなど多岐にわたる。
クラウス・シュルツェ(Klaus Schulze, 1947年8月4日- )はドイツ・ベルリン出身の作曲家である。主にシンセサイザーやシーケンサーを使用した大作的な楽曲で知られる。
分類的にはプログレッシブ・ロックと見なされるが、後のアンビエント・ミュージックやトランス・ムーブメントにも影響を与えた。
クラウス・フォアマン (Klaus Voormann, 1942年4月29日 - ) は、ドイツのミュージシャン(ベーシスト)、画家。英語風の発音でヴーアマンとも呼ばれる。ベルリン生まれ。
アルフレード・クラウス(Alfredo Kraus, 1927年11月24日 - 1999年9月10日)は、スペインのテノール歌手。20世紀後半のもっとも偉大なリリコ・テノール歌手とされている。
今分かる人でこの位です。
で、条件があります。
「Kraus」
「R」の人。
一人しかいませんね。この人なんでしょうか。
確かに、テノール歌手と言う事でオペラもやる事は分かりますが。
私個人としては、「クラウス・ノミ」だと思ったんですけど…。
話変わりますけど、「もう二度と会えないんだ」にどきりとしました。
もともと、今井さんはシニカルな人だと思っていたので、「MY EYES~」みたいな綺麗な、ロマンチックな詞を書くという事に驚いていたんですけれど、この曲は…。
ギターフレーズが印象的だと書きましたが、このフレーズを聞くと、なんだか不安になってくるんですよね。
そして、歌詞に表立って書かれてはいませんが、とても不安げで。
いったい何が不安なのかなと、ついつい考えてしまいました。


GIRL-shape2-
爽やかです。シングル盤では、初っ端から聴き易かったんですが、今回は初っ端遠いです。
明るいなあ。間奏部分のメロディが結構好きです。
聞く所によると、「GIRL」でも「BOY」でも「DOG」でも良かったんですか?
さて、「残骸」の「対」というお話。
残骸」の主人公は、「明日」に対して夢を見ない=希望を抱かないと思っていると仮定して話を致します。
GIRL」では、ある人物「君」に対する「希望」を歌っていると思ったんですね。
すると、「残骸」の所で書いた「残骸」の「お前」=「GIRL」の主人公は成り立たなくなりますね。
随分ぐでぐでで申し訳ないんですが。
ただ、「残骸」の「俺」にしろ、「GIRL」の主人公にしろ、相手に対しての心の向け方は一緒なのかな?と思ったりもしました。
残骸」では、「明日が来る事を」「夢見」ている「お前」に対して「愛してくれよ」と願っています。
GIRL」では、「君を見ていると」「いい予感がする」と言っています。
それぞれの中で、言葉には出て来ない愛情を歌っているのかなと。
「お前」も「君」も、今の世の中で彼らにとっての「希望」なのかなと。
そのわりに、「GIRL」の主人公は、「夢物語でもいい」と言っているんですが。
何に対してでしょうか?
「世界が崩れそうな そんなことばかりじゃない」と言うのが、「夢物語」や「願い」「祈り」だとしてもいい。
そういう事でしょうか?


Sid Vicious ON THE BEACH
さて、やって参りました。
今井さん。初めてのメインボーカル曲でございます。
GIRL」が「夏の終り」を本当に思い起こさせる曲だったんですが、この曲は、本当に「真夏」です。
ドライブにとても良いんじゃないでしょうか。
イントロから聴けるギターのカッティングがとても好きです。
で、そんなに速くて激しい曲ではなく、もう、ポップです。
櫻井さんのスキャットの後に、今井さんの歌声が流れてくるわけですが。
けだるい。
けだるくて、なんか投げやりな感じです。
しかも、いつも聴く様などこから出ているのか分からない、摩訶不思議な声では無く、低い渋い歌声でございます。
そういえば、この曲は櫻井さんが「今井が歌えばいいんじゃない?」みたいな事を、本人ではなく別の人に言ったそうですね。
と言う事は、当初は櫻井さんが歌う予定だったんですか。
それはそれで聴いてみたい気もします。
でも、どうして歌わなかったんでしょうね?
さて。この曲。ちょっと意味が分かりません。
タイトルは「Sid Vicious ON THE BEACH」ですが、「Sid Vicious」が歌詞に出て来ません。代わりに「hero」が海辺にいる事になっています。
おそらく、「hero」=「Sid Vicious」でしょうけど。
「Sid Vicious」といえば、セックスピストルズのベーシストです。
パンク好きな人にとっては、文字通り「hero」ですよね。
その彼がいる海辺から見えるもの。
「コバルト60の打ち上げ花火」です。
それ以外にも色々見えるわけですが、天使とか。
それぞれに対して「とても絶妙」なんだそうですが。
で、「コバルト60」が何なのか分からなかったので、調べてみました。
コバルト60
Co-60はコバルト(原子番号27、原子量58.9332の鉄族に属する金属元素)の人工放射性核種の一つである。
γ線源として使用され、厚さや密度を計る工業用測定器、食品の殺菌、がんの放射線治療、および植物の品種改良などに広く利用されて
いる。半減期は5.271年である。
単体金属としてのコバルトの用途はほとんどないが、その中で最も重要なものは、
放射性同位体のコバルト60をγ線源として用いるもので、医療分野での放射線療法、ガンマ線滅菌、食品分野での食品照射(ジャガイモの発芽防止)などに広く利用されている。
核爆弾の一種で、原子爆弾又は水素爆弾のまわりをコバルトで包んだもの。
具体的には、核反応が充分に進行しないうちに核物質が四散して爆発が不完全に終わるのを防ぐ「タンパー」と呼ばれる重金属の覆いにコバルトを用いる。
コバルトの原子量は59であるが、核反応により放出される中性子を取り込んでコバルト60が生成され、これが爆弾の爆発と共に広範囲にまき散らされる。
コバルト60は半減期5.3年でガンマ線を放射するため、コバルト爆弾は放射線兵器となる。
中性子爆弾と共にSFの第三次世界大戦など核戦争による世界破滅するジャンルでよく使用想定されていたが、中性子爆弾と違って、
コバルト爆弾では半減期の長いコバルト60による汚染のため味方にも被害が及び、被災地の占領も困難であるなどの理由で実用性に乏しく、理論上の兵器に終わった。
少し、難しいですね。
さて、そんな物騒なものが「愛より深く世界を飲み込む」んですけれど。
あの、この詞って物凄く他人事みたいな感じの、突き放した詞に見えるんですよね。
先程も書きましたが、「hero」がいる海辺から見える情景と考えると。
「Sid Vicious」は亡くなっています。
なんだろう。「対岸の火事」みたいな。
そんな中、何が起ころうとも地球は回っているわけで。
諦めというか、関係ないみたいな感じにもとれるんですけど。
「馬鹿な事してるなー人間達は」って事ですか?


BLACK CHERRY
まったりとした、ちょっぴりセクシーな曲です。
これ、驚いたんですが、櫻井さんと星野さんが作詞なんですね。
星野さん、どの辺書いたんだろう。
歌詞は、もう、お得意のって書いたら失礼ですが、セクシーな歌詞です。
ちょっとマゾっけありな。
で、星野さんはどの辺書いたんでしょうか。
もしかして、「ミウ」みたいにキーワード提出でもなさったんでしょうか?


原罪
ここでいきなり激しい曲に戻ります。
今作中、「ナカユビ」並に好きな曲です。
テンポはそんなに速くないんですが、ノリが好き。
歌詞は…。「あんた」とは自分なんですかね?
鏡にわざわざ映っている位ですし。
あと、ちょっとどきりとした部分。
「いつかの青い星も 今じゃ灰色」
初めて宇宙に飛び立ち、宇宙から地球を見た人が「地球は青かった」って言ってませんでしたか?
すごく、納得してしまいました。


MONSTER
これは星野さん作曲のヘビーな曲ですね。
これも、そこまでテンポは速くないんですが、激しく聞こえます。
サビの所が凄く好きです。
歌詞の通り、「光が包む」感じで。
本当に真白なイメージが湧きます。
で、ですね。
この曲。
MACHINE」が出て来ます。ついついタイトルを間違えてしまいます。
「狂った太陽」の「MACHINE」も、この「MONSTER」も、「夜」に走っていますね。
結構共通する部分があります。


愛ノ歌
この曲のイントロがかっこいいです。
何て言えばいいのかな。サンプリングされた音がカッコイイと言いますか。
しかし、このアルバムの最後が「愛ノ歌」とは。
歌詞の表面は、もう、情事の最中みたいな感じで、恋人同士の夜を書いているんですが、アルバム中に「狂った世界」を歌った曲が多いだけに、「愛」って重要なんだなと思ったりしました。
どんな形であれ、「愛」があれば、争う事も無いって事なんでしょうかね。
だから、「狂った世界」でも「愛の歌」を愛する人に捧げるんでしょうね。
いや、「狂った世界」だからこそ。なんでしょうね。


Continuous
今作が激しい曲が多かった為、殊更この曲のイントロのピアノの音が、凄く綺麗に聞こえます。
メロディも、切なく優しい感じです。しかし、サンプリングされたパーカッションの音が、綺麗なだけという印象を引き締めています。
最後のカウントダウンが、前作の「極東 I LOVE YOU」の一曲目「疾風のブレードランナー」に引き継がれます。
これを聞いたら、次は「極東 I LOVE YOU」を聴かないといけない気になりますね。
そして、ループを繰り返す。
今の人の営みみたいですね。


以上です。
最後の方、随分と駆け足になりました。
感想らしい感想でもないですが、お暇つぶしになれば幸いです。

で、追記なんですが。
今井さんがメインボーカルのくだりとラップの話。
メインボーカルの件もラップも、「相変わらずの~」ですでにやってましたね。
歌ってこそはいませんが、長い事声を出してます。
本当に、私は何を書いているんだか。
申し訳ないです。ごめんなさい。