『 約束の地 』
もう少し…
もうちょっとだけ…
これさえ叶ったら…
あなたが
満たされるまでの
時間は
幸せになれるまでの
距離は
あとどれくらい
どれほどなのでしょうか
手が届きそうに
感じる思いは
希望という名の
欲望の
羨望という名の
失望では
ないのですか
目の前で
刻まれてゆく
永遠の振り子
果てなく
綴られてゆく
幻想の置き手紙
皮肉にも
満たされない負の
心地良さに
知らず知らず
酔いしれていて
決して
辿り着けない
この世の端を
いつまでも
探し求めてる
それぞれの美意識は
やがて
退屈な装飾品へと
その姿を変えてゆく
そろそろ
欲求の
螺旋階段を
踏み外してみませんか
不足という悲劇に
酔いしれるのではなく
常にここが
最良の
場所であったと
あなた自身に
思い出させてあげる
切なく
儚き
満月までの
少し足りない
少し頼りない
その輪郭の輝きを
明けゆく間際の
深淵に
溶け出す青の
闇の深きを
いつだって
さらけ出せずにいた
見透かされるのが嫌で
怯えながら
時の狭間に
逃げ込んだ
それは
独りぼっちの
かくれんぼ
恥ずかしそうに
あなたの影に
そっと身を潜めてた
その幼さは
黄昏と
夕闇とに紛れて
うっすらと
消えかかっていた
もう大丈夫だよ
ほらね
みんな同じものを
違う場所から
見ていただけだから
きっと
どこにいても
見つけてあげるから
一緒に連れ帰って
あげれるから
この胸に
ひとえに結んだ
聖なる祈りを
星々に重ね
折々の日々
和の美
寂の美とが織り成す
古よりの
調和を訪ね
すべての不足を
迎えにゆくことが
できる
現象の果てには
白い蓮の花を
両手に広げ
天空遥かに
羽ばたいてもゆける
だから
怖がらずに
ここにおいで
約束された
十字架の
たったひとつの
いのちの安らぎ
天上天下
ゆらぎの世界へ
ありがとう
今日も出会ってくれて、ありがとう!